2006年5月28日日曜日

ウチら陽気なシンデレラ

 私は真田ぽーりんの漫画が好きです。出会ったのは『なんちゃってアーティスト』、そして書店で『ウチら陽気なシンデレラ』を見つけて、買ったらそれが大当たり。『シンデレラ』は清掃の仕事をしている四人の女性が主人公の漫画で、形式としては四コマ、毎回をひとつのテーマでまとめるタイプの四コマです。

これが面白かったのは、『天使のお仕事』の時にも書いていましたが、女の子中心で、絵が可愛くって、そして身も蓋もないで、それでですね、男キャラが罵倒されたりひどい目に遭わされたりするとなおよいかと思うからなのかと思います。『シンデレラ』は、まさに私好みの漫画であると言い切ってはばかりません。

(画像は真田ぽーりん『必殺白木矢高校剣道部』第1巻)

けど、真田ぽーりんの漫画における一番の魅力とは、なんといってもみんなが元気であるところであると思うのです。ときには怠惰で、仕事に対していい加減な態度を見せたりするところもありますが、それでも基本的にはまっすぐで元気で、正義感にあふれていて、仲間友人のためにはどんな労もいとわず助けになってくれる。啖呵だって切っちゃう。そういう気持ちよさがいっぱいの、とてもいい漫画を描かれる作家さんであると思っています。

そんな『ウチら陽気なシンデレラ』も第4巻で完結。私は、終わるってことは知っていましたけど、まさかあんなにきれいに流れを作って終わりに向かうだなんて思っておらず、ちょっとしんみりしてしまいましたよ。いや、それ以前にも泣いてしまうようなところはあって、第3巻ではお見合いの回、第4巻では春ちゃんの結婚式の回、思わず春ちゃんの言葉にほろりときて、しかも悪いことにそれが電車の中だったから、けれど私は臆面もなく涙を流してしまって、だってしかたないじゃんか。悪いのはみんなこの漫画を描いた真田ぽーりんです。

そして最後への流れ。四人の昔、今、上司である山田さんとの関係、それらが確認されながら、じわじわと終わりに向かっていって、完結……。『なんちゃってアーティスト』で書いたときにもいっていましたけど、晴れ晴れとした寂しさが感じられて、終わることは悲しいよ、なら別れることはいうに及ばず、けれどその向こうに広がる未来があるのだからしんみりとしながらも嬉しくなって、そういう感じを演出するのがうまいと思います。そして、私は仲間ってのもいいよねえと思うのです。認めてくれる仲間があって、支え合える友人がいて、そうしてはじめて人は輝けるのかも知れないなと、そんな風に思ったのです。

参照

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