本当なら二日にわたって一冊ずつ紹介したほうがよかったのかも知れませんが、みおとゆかを並べたかったものだから、一度に紹介してみることにしました。『みおにっき』と『ゆかにっし』は、みおとゆかの姉妹が主人公の漫画。同一世界を舞台にしながら、みお視点の物語とゆか視点の物語がそれぞれ展開されて、実をいいますと私はこういう構成が好きなのですよ。しっかり者の妹みおと、どことなく浮世離れした姉ゆかの和気藹藹と楽しそうな関係がなんか嬉しくて、私は本当に好きでした。けれどこの姉妹の物語はこの二冊にて完結。いい引き際だと思いながらも、ちょっと残念に思わないではおられません。
作者は『三者三葉』の荒井チェリーであります。思えば、この人の漫画がきっかけで『まんがタイムきらら』を購読するようになったのでした。この人はきらら系(DV系?)に分類される作家であるのですが、でも漫画の幅は結構広くてですね、一般四コマ読みにも訴えうる可能性を持っているのです。一般向けの傾向を強めた漫画が『みおにっき』で『ゆかにっし』なのですが、それでも完全に一般向けにはなり切らず、やはりDVのりがある点は否めません。でも私は、その境界線上にあるようなこの人の作風が好きなのだと思います。
荒井チェリーの作風はというと、可愛いキャラクターが黒いことをいっているというような、そういうものであると思うのですが、それはこの漫画にも健在で、けれど表立ってそういう部分はあらわれないというのが特徴なのではないかと思います。黒い部分よりも、ぼけがメインといったらいいのか、けど見た目にはとぼけた雰囲気なのにその実黒いというのはなかなかによい味を出していて、そしてその黒さというのが本当に悪いという感じがしないというところもいい味を出していて、そういうどこにも行き着かない、やっぱり境界線上にあるような雰囲気がよいんだろうなというように思っています。
さて、この漫画には『三者三葉』のキャラクターも出ていて、それは桜と竹園の坊ちゃんだけかなと思っていたら、実はそうではありませんでした。ゆかの弟でみおの兄である克樹の友人もどうもそうっぽいなと思っていたのですよ。そうしたら、やっぱりそうで、同じく『三者三葉』の一芽でした。
これが明確にわかったのは、みおにっき、ゆかにっしを一度に買うともらえる(かも知れない)小冊子『みおとゆか』を読んでだったのですが、しかしこの小冊子『みおとゆか』と題されているけれど、実質は『一芽と双葉』って感じでした。少女漫画風に花を背負った双葉が見られるのは『みおとゆか』だけ! 私は、行きつけの書店、グランドビル三十階の紀伊国屋書店にいってもらえました。もらえなかったらいやだなと思っていたので、よかった。というわけで、ちょっとした情報提供でした。
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