今日は最初に謝っておきます。ごめんなさい、私はこの本買っていません。基本的にこのBlogでは自分の買っていないものは扱わない、例外的にDVD-BOXやコンピュータソフトウェアなど、内容は知っているけど買うにはいたらないというようなものもありますが、基本的には買っています。ところがこの本に関しては買っていない、さらにいえばちゃんと読んでいない。
実をいいますとね、書店で見かけて手に取って、ちょっと読んで見て、買おうかなあどうかなあ、って迷ったんです。なにしろ今日の私の手持ちは200円だったものだから買うに買えないという事情はあったのですが、買わなかったのはそれだけが理由ではありません。それはなにかといいますと、いやな予感がちょっとしたんですよね。
ほんのちょっとだけ読んでみての感想ですが、結構面白いとは思ったんです。ほら、私は腐女子といわれるようなおたく娘が大好きだと前々からいってきています。それゆえにこうした本にも興味を示したというところなのですが、ざっと冒頭あたりを読んでみたらそうした私好みの女性像が説明されていて、そうそう、そんな感じよねー、みたいに相槌うったりなんてして、とそんな具合に楽しかったんです。
私にはおたくの友人が多いです。漫画系の人がいれば特撮系の人もいて、ジャンルは重なり合いながら個々人の趣味指向によって広がりを見せて、そうした人たちの話を聞くのは本当に面白い。カップリングについて話を聞いたり、昔の事件について聞いてみたり、またライフスタイルについての話も面白いのですよ。こうした話はこの本にも含まれています。ライフスタイルについてが主かな? おたく女子はおたく男子と違って服装にも費用を投じなければならないから大変だという話。やっぱりおたくとみなされるのはいやだから(世間にいうステレオタイプなおたく像に当てはめられ蔑視されるのはいやだから)、ちゃんとした格好をしたいというようにみんないっています。そのへんいうと、私は無頓着なほうだなあ。いかんなあと反省したりして、私の話はどうでもいいや。この本にはまさに私の趣味指向にマッチした話が収録されている。だから欲しいかもって思ったんです。
じゃあ最初にいってたいやな予感ってなんなのさ。いやな予感というのは、私の経験上、こうした本の面白さというのは最初に集中していて、読み進むにつれてぼんやりと面白さがぼやけていく。深まらず、ただ広がるだけというか、そういう傾向がなんとなく感じられて、読んだ、面白かった、それで……、どうしたもんかなあ、みたいな感想になりそうだという予感がしたんですね。別にその程度でいいといえばいのですが、そのために千五百円を払えるか……。いや、表紙のイラストの女の子のために払え……、ないよなあ。
迷ったときはアマゾンのレビューですが、これまた見事に別れてしまっていて困ります。私が感じた危惧は辛口の評に、私が面白いかもと思った要素はべた褒めの評にそれぞれ当てはまるように思うのですが、正直私の直感ではそんなに悪くいわれないかんような本でもないけど、そんなに褒められるような本でもないんじゃないかなあというもので、でも通して読んだわけじゃないから私がこんなことをいったらいかんよね。
買えば、友人間でのちょっとした話題にはなるでしょう。これを入り口として、友人のケースを深く聴いてみるというのはきっと面白い。人間なんて十人十色、この本との差異が個々の事例をはっきりとさせるということは充分にあるかと思います。だから買ってもいいかなあ。どうしようかなあ。
というわけで、この本についてなにかお思いの方がいらっしゃったら、ふにゃふにゃ煮え切らない私にアドバイスくださると非常にありがたいです。
- 杉浦由美子『オタク女子研究 腐女子思想大系』東京:原書房,2006年。
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