2005年4月23日土曜日

聖ポーリア女学園

『まんがタイムスペシャル』6月号に掲載された、高田理美の『楽楽OL24時』。テレビの音量は5の倍数と決めてるのとかボクは3の倍数とか、そんな決め方してる人がいるなんて、まったく私には信じられませんでした。だって、テレビの音量といったら偶数でしょう! 3の倍数だと、21とか出て来るんですよ。21! このおさまりの悪さ。20か24にしましょうよ。せめて22か25。5の倍数には妥協できても、3の倍数にはどうしても納得できないのであります。

そんなわけで、今日のテーマは高田理美です。私がこの人の漫画と出会ったのは、私が最初に講読しはじめた四コマ誌『まんがタイムラブリー』に連載されていた『聖ポーリア女学園』ででした。女学園ものではありますが、昨今はやりの萌えとかそういうのんじゃないですよ(いや、萌えってもうはやりじゃないよな)。ナンセンスでけったいなギャグが盛り込まれて、思わずそれで笑ってしまうという、実に四コマ誌らしい四コマだったのでありました。

けど、あんまり売れなかったのかなあ。私はこの人ののりは大好きで、もちろん『聖ポーリア女学院』は発売されたその日に買いましたし、今連載中の『楽楽OL24時』にしても毎号を楽しみに読んでいます。高田理美は、なにがいいといっても、テンション抑え目で、けれどいいところを突いてくるネタの切れ味。地味だけど面白いと思うんだけどなあ。支持する人もきっといると思うんだけど、今のはやりからちょっとはずれているとかそういう点で損をしているんじゃないかなあ、とか思っています。

『楽楽OL24時』には、毎号ではないのですが「実録シリーズ」と銘打たれた作者の日常(なの?)を取り上げたネタが収録されるんですが、私はこの「実録シリーズ」も好きで、どうも高田理美のネタは私の面白いと思うところにピンポイントで入るようなんです。ちょっとずれた言動とか、ちょっと失礼な物言いとかそういうのが高田理美の味だと思いますが、こういうギャグが面白く響くのは、裏にきっちりとした常識的な尺度があることが見えて、けれどそこからはずれているという、そのはずれっぷりの見せ方であると思うんです。はずしすぎたらただナンセンスなだけ、不条理なだけになります。けれど高田理美は、現実にうまく寄り添って、片足を常識にのっけながらそこをはずして見せる。ここがこの人の真骨頂であると思っています。

一撃必殺型ではなくて、徐々に浸透して病みつきにさせるタイプの漫画家が高田理美。ええ、この人のくすぐりめいたネタは中毒性を持っていると思います。

こっから愚痴:

しかし、私の好きだという漫画家は、なぜか単行本化されなかったり、なぜか突然連載終了したりと、不遇な目に遭うことが多くて悲しくなります。

そういえば、古い話で恐縮ですが、かつてあの国民的人気を誇ったクイズ番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』では、私の応援する人から順に脱落していくというジンクスがありました。まるで呪いでもかけられたかのように、次々脱落していくあの様!

もしや、四コマにおいても私にかけられた呪いは健在なのか!? 私の好きな漫画家の皆様、申し訳ございません。私の呪いのせいで、私の呪いのせいで……。

  • 高田理美『聖ポーリア女学園』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2000年。

引用

  • 高田理美「楽楽OL24時」『まんがタイムスペシャル』第14巻第6号(2005年 6月号),128頁。

0 件のコメント: