以前の職場に新しいコンピュータが導入されたとき、マイクロソフト社のリレーショナル・データベースソフトMS Accessも一緒にやってきたのでした。私はそれ以前からデータベースソフトはさわっていたのですが、なにしろそれらはカード型データベースであって、はじめてのリレーショナル・データベースは極めて敷居の高いものと感じられました。そもそも、概念がわからなかったんですね。
そんなとき、ともにAccessに取り組んでいた同僚が『魔法使いの開発工房』というサイトを見付けてきてくれたのでした。私はこのサイトを見ながらAccessというソフトがどういう考え方のもとに成り立っているソフトであるかを学習して、今はAccessを用いたデータベース作成をなりわいとしています。
Accessを使えるかどうかは、リレーショナル・データベースというのがどういうものであるかを理解できるかどうかにかかっているといっていいでしょう。WordやExcelのようにデータと視覚表現が混ざり合っているアプリケーションとは違い、データはテーブルに保存され、それらをクエリでハンドリングする。けれどいちいちSQLを書くのも骨だから、使いやすいようフォームでもってインターフェイスを工夫し、印刷時にはレポートを使う。
こういう、データとその他のものがくっきりと線引きされているAccessに馴染んでしまえば、WordやExcelみたいなのは、なんだか不潔に感じられてしまいます。データと非データは分離しとけよ。再利用しにくくて仕方がないじゃんかよ、と文句のひとつもいいたくなる(いや、実際いってます)。とりわけExcelには我慢ができない。なんだ、あのセルの結合ってやつは。なんで文書タイトルやらそういう非データをデータ記述部であるはずのシートにがんがん書き込まれにゃならんのだ。そもそも、あのデータ型のいい加減なところ。CSVを読み込んだら、テキスト型で保持しているデータを勝手に数値型に変換される。わざわざアポストロフィで括ってるのに、数値型にされる。まったくもって不潔ですわー! という感じで、私はExcelは大っ嫌いです。
なんか話がそれましたね。今回はそんなことをいいたいんじゃなくて、Accessというのはちゃんと使えば、データの再利用にも便利だし、データを集めて検索するだけじゃなくて、集計したり統計とったりといろいろに活用できるってことです。
なので、Accessを学びたいという人にはニキータさんの『魔法使いの開発工房』を訪れてみるようおすすめしています。なによりわかりやすいところがいい。リレーショナル・データベースというのがどういうものであるか、色々例を出して、実際にデータベースを作りながら、理解できるように工夫されています。私はこのサイトを読むたびに驚くのですが、市販のどの本と比べてみても『魔法使いの開発工房』のほうがわかりやすいのですよ。特に「漕げよマイケル」。これ見て、それでもAccessというのがどういうソフトかピンとこないという人は、正直リレーショナル・データベースには向いてないからあきらめたほうがよいと思います。そういいきっていいくらい、リレーショナル・データベースをわかりやすく伝えるための努力があふれているコーナーであります。
ソシムから出ている二冊の本は、『魔法使いの開発工房』のサイトオーナーであるニキータさんの出版された本です。サイトで解説されている内容からもう一歩を求めるならきっと役立つのではないかと思います。
- ニキータ『魔法使いの開発工房』
- 緒方典子『Accessマクロ&VBA開発工房 — 2003/2002/2000』東京:ソシム,2004年。
- 緒方典子『Access VBAプログラミング開発工房 — 2003/2002/2000』入門・基礎編 東京:ソシム,2004年。
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