昔『スプリガン』という漫画を人から薦められて、それ以来私は皆川亮二のファンです。なんというか、多分この人の書いた漫画は全部持ってます。こういうことをいうとどうも意外と思われるらしいのですが、私の印象は少女漫画読みなのでしょうか。少年漫画も好きで読んでますよ。だって心は少年ですもの。
いや、馬鹿なこといって申し訳ありません。けれど弁明しておきますと、ARMSは心が少年であろうとなかろうと、読めばきっと面白いと思うに違いないのです。異常な能力を持つ少年少女たちの出生にまつわる秘密。望むと望まざるとに関わらず、過酷な運命に巻き込まれていく彼らが、逃げることなく困難と自分自身に立ち向かっていく。その彼らの姿に胸を打たれないということがありましょうか。
私などは、単行本発売を待って待って、買ったら一息で読んでしまって、それでなおまた頭から読み直して、心が震えます、目頭が熱くなります、胸の深いところがしびれているみたいで、やはりこの漫画は名作だと思うのです。
ただ、この漫画はヘビーで、ちょっと気楽に読もうかというものではありません。主要人物は守られているため安心して読み進むことができるといっても、人死にはたくさん出ますし、その死に方も無惨というか残酷というか、少年たちの運命がそうであるだけ、描写もすさまじさを増しているんですね。
『スプリガン』でも死者も出ますし残酷なシーンも、過酷な物語もあるにありましたが、『ARMS』よりは少年誌を感じさせました。『ARMS』はとにかく重いのです。それだけの深みはあり、読みごたえは充分、表現も内容に負けず濃密強靱でありますが、ゆえに重い。人を選ぶ漫画であるかも知れません。
改めて全22巻を並べてみると、長いですね。私は物語の最後には息切れを起こしてしまって、バンダースナッチの出てくるあたりなどはほうほうの体でした。
次回読むときは、気力体力ともに万全で臨みたいものでありますね。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第1巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1997年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第2巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1998年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第3巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1998年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第4巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1998年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第5巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1998年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第6巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1999年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第7巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1999年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第8巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1999年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第9巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1999年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第10巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,1999年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第11巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2000年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第12巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2000年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第13巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2000年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第14巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2000年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第15巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2000年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第16巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2001年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第17巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2001年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第18巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2001年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第19巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2001年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第20巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2002年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第21巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2002年。
- 皆川亮二,七月鏡一『ARMS』第22巻 (少年サンデーコミックススペシャル)東京:小学館,2002年。
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