2018年8月4日土曜日

『まんがタウン』2018年9月号

 『まんがタウン』2018年9月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。いろはさんと早倉さんがシュノーケリングでありますね。水着着て、でもっていろいろ装備つけて、これはまだ準備の途中なのかな? 陸の上のふたり、快活そうなポーズしてるいろはさんと、膝ついて座ってる早倉さんの大人しそうな様子と、対照的でよい感じです。しかし、ふたりともに結構露出のある水着なんですが、とんだお色気とかいやらさしさとか、そういうの感じさせないところ、すっきりとしてさわやかな感じさせてるところ、とてもいい、魅力的だと思いました。

『新婚のいろはさん』。ふたりでドライブ、行き先がサービスエリアというの、面白いですね。普通、どこかにいく途中で立ち寄る場所、それがSAだけど、今回はここを目的地としてちょっといろいろ楽しもうという趣向が面白かったです。ふだんしないこと、それをするのが面白いのだと思う。これといって、特別に特別すぎないことでも、ちょっと視点を変えるだけで結構な特別になるみたいな感じ、それが面白かった。いろはさん、さっそくの牛串食べてるあの表情、すごくいいですね。両手にからあげ、ソフトクリームを持っての記念撮影、あれも面白かった。なんだかこの漫画、ちょっとした日常にあるものを特別にする、そんな瞬間描くの、うまいんですよね。

続く2本目のコーヒーの話もね、他愛もないこと、日常のことなんだけど、それを特別のことにしてしまう。コーヒー間においてしゃべってるだけ、みたいな漫画なんですけどね、それが不思議と面白い。始といろはのキャラクターもあるんだろう。作者独特の持ち味、テンポ感、発想なんかもあるんだろう。でもって、始が、いろはのいれてくれたコーヒーをおいしいと思うのはなぜか、その答にたどりつくというのがよかったなって。そうそう普遍的でもない、始個人の理由にすぎないのかも知れない。けれどその答が、意外や普遍的なものかもみたいにも思わせて、いや、これ、とてもよかったです。

『恋するヤンキーガール』。将来設計の話? 今はまだ夢みたいな話だけど、アヤメちゃん、高校卒業したらすぐ結婚するのか? なんていわれて、想像する新婚の風景。いやもう、この子、たいした乙女でありますね。そう思ったら、ここからの想像の膨らませかたがよかったです。自分が働く想像をする。ナギが主夫をやっててね、それがやたら可愛くてたまらんとかいってるアヤメちゃん、おかしいなあ。いや、でも、ほんと可愛いけどさ。でもって、次の想像。ナギ、妊娠! 素晴しい! いや、妊娠ナギくんが可愛いからとかじゃなくってさ、旧来の性役割にとらわれない発想の広がり、それがいいって思ったんですよ。働くアヤメちゃんもかっこいいじゃないですか。でもって、志望校について。ナギがいくから自分も同じところ、そういう風には考えないんですね。大学とかならともかく、高校だったら普通に友達と同じとこー、でいいと思うんだけどなあ。アヤメちゃんの意外な真面目さ、それがこの子の根っこを物語って大変よかったです。しかし、最後にちょっとした現実が。ああー、成績が足りないのかあ。これは、アヤメちゃん、ナギに教えてもらうなりして頑張る展開かな? 今は泣きそうになってるだけだけど、なにかしらの展開、期待できそうですね。

『ようこそ!スマイリーバーガーへ』。最終回でした。密度高いエピソードでした。常連さんたちとの対話、これがこの店の変化、繁盛している様をしっかり伝えてくれて、そしてそれからのたまこのチャレンジ。はじめて厨房に入ります。常連客からからかわれてるたまこが、しっかりちゃんと調理に取り組みますからというところね、かっこいいじゃありませんか。ええ、真面目にきりっと、いい表情でした。続く店のチャレンジは、店の前に置くボード。ああー、社交性難有りトリオがこういうの苦手だったから、なくなったんだ。でもって、その社交性難有りトリオの一角、すずの変化ですよ。ああ、ついに自然な笑顔出せたじゃん。ええ、本人にとっては意外なところでポロリと出た、だからもう一度といってもできないものかも知れませんけど、この変化の萌芽、それがこうして描かれたこと、すずのためにもよかったなあって思わされたのでした。いろいろあった今日の営業だったけれど、それもこの店にとっては毎日の業務の一側面に過ぎなかったのでしょう。けど、その普通の仕事の一日にも特別なこと、変化していく様などあるのだよ、そういった実感ある描写がよかったです。そうですね、小さな変化が日々起こっていて、それらが積み重なった先に、たまこのチャレンジのように、すずの笑顔のように、目に見える成長があるんだ、そうした実感でありますね。そして今日は終わり、また明日がやってくる。これからも彼女らの日常、この店でのいろいろはあるんだというラスト。その余韻、含みのある終わり方もまたよかったと思います。

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