2018年8月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2018年10月号

 『まんがタイムきららキャラット』2018年10月号、発売されました。表紙は『NEW GAME』。青葉と紅葉、水着のふたりです。ふたり、水の中にいるんですね。紅葉が天地逆になってたり、ちょっとした無重力感。ふたりにそそがれる光に、水面の揺らぎが浮かんで、その濃淡がなまめかしい? 対照的なふたり、こうして並ぶと、その違いがいいアクセント生んで、実によいですね。引き立てあっています。

まちカドまぞく』。今回、内容が豊かだなあ。ウガルルの仕事を探します。それでとりあえず喫茶あすらに仕事を求めにいくんですけど、ウガルル、字がまだよく読めないとかね、厨房でも刃物の扱いうまくない。するどい爪も、まだまだ制御が効いてない? 店内傷つけちゃったりしてね、ええ、失敗の連続なんですね。そのことを申し訳ないと謝るシャミ子に、優子君、謝るのはやめたまえ。店長のいうことが、いちいちすごくいいの。できないことを数えるのではなく、できることを見つけてあげよう。そうか、失敗はそのための過程であるのか。しかし、紆余曲折あって、店内、厨房どころか客席もズタズタのボロボロになっちゃってるんだけど、それでもウガルルが自分の意思で行動を起こしたことを評価する店長。すごいな。ほんと、これ、とてもいい。胸に沁みる、そんな言葉の数々。いい話でした。

『アニマエール!』。新聞部の鷲尾です! めちゃくちゃ可愛いな、この子! 姓に動物が含まれてるってことは、この子もレギュラー格だね? いや、これは嬉しいこと。さて、新聞部、新聞の認知向上と部員獲得を目指して、チア部の特集組もうっていうんですね。しかもひづめに焦点を当てて、写真掲載どころかトレーディング生写真まで考えてるのか。それでほいほい釣られる花和も花和です。緊張してギクシャクするひづめとか、新聞作りにアドバイスするも迷走するチア部の面々とか、いい感じ。でもって4コマに着地して、しかもひづめが描く? 虎徹の狼狽、あれがいいアクセントになってました。というか、次のページ開いたら突然のひづめワールド。あれはあかんわ、反則ですよ。すごいな、ヤベえよ、笑わずにはおられなくって、そう思ったらここでも虎徹が追い討ちをかけてくる。ほんと、面白かった。虎徹はボケツッコミとかの域を超えた、そんな存在になってますね。

『RPG不動産』。面白いですよ。すごくいい。琴音の顧客、希望条件を話してくれなくて、その彼女が最後には希望する物件に入居できましたというのは、この漫画の基本の流れなんですけど、その解決のくだりが、まさかの!? でしたよ。今回は幽霊アパートの話。フルリアがめちゃくちゃ怖がってるのね。強がってるけどボロ出まくり。そうした様子、やりとり含めて面白くって、そしてアパートの確認にいく時、ああ、RPGっぽいよ! 戦士ラキラのもじもじ。これもおかしかった。見た目こそはもじもじだけど、口ではめちゃくちゃ物騒なこといっていて、いいテンポ、際立つ緩急、溢れ出るキャラクター性。素晴しい。最高でした。でもって幽霊出るらしいっていうの、きっとまた違う現象を幽霊と思い込んで……、とか思ったら、ガチ幽霊でした。というか、部屋がヤバい事故物件。床は、床は張り替えて! 恐慌に陥る皆、追い討ちかける幽霊たち。もう、すごかった。このくだり、ノリノリですよね。でもって、この物件がなぜ琴音の顧客、リリィにうってつけだったのか。いわば解決のくだりがですね、これまでのドタバタをすっきりまとめてくれて気持ちいい。リリィ、ネクロマンサーでした、最近は霊が少ないんです。リリィが幽霊たちと交渉して、それであの恐怖の部屋がこんなにもくつろげる空間に変化するなんて。この意外性ある展開、切り返しのうまさに見事魅了されました。

『精霊さまの難儀な日常』。これも面白かった。『あんハピ♪』とはまったくもってテイストが違うんですよね。キャラクターの個性の出し方も全然違う。なんか、みんなどこか一筋縄ではいかないなにかを隠し持ってる、そんな剣呑さが魅力。いや、剣呑なのはともりだけか……。梅雨の季節が終わって、いよいよサラの本領発揮? 暑い夏がやってきました。でも、ルカにとっては憂鬱な季節なんですけどねって、前回とはまったくの逆になっています。太陽をなんとかできないか、ルカがサラにいうんですけど、そこにともりが太陽の仕組みを語りはじめるの、なんかすごい、びっくりした。太陽は核融合っていうの、しれっと普通に解説しちゃうともりに胸キュンです。いいよね、地学女子、天文女子。前回仕込んでた梅シロップに梅干しができましたっていうので、その試食、試飲会をやってみたりね、この和気あいあいに精霊の国の様子、お国柄? を盛り込んでくるのも面白くって、自然とサラやルカに親しみが持てるようになってたんですね。最後には皆で食事にいってと、なにか事件が起こるわけでもなく彼女らの日常の情景が描かれるばかりだったのですが、そうした描写に、きちんとともりとサラの関係が深まっていっていること示されて、ああ、いいですね。おそらくはこの漫画の一番見せたいものがこれなんですね。ばっちりでした。

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