2018年8月3日金曜日

『まんがホーム』2018年9月号

『まんがホーム』2018年9月号、昨日の続きです。

『ちっちゃい先輩が可愛すぎる。』。休日にばったり出会った高瀬と駒井先輩。それはいいんですが、私服の駒井先輩がめちゃくちゃ可愛くて、これはカラーページの甲斐があるわ! 心底そう思わされました。で、追加で思うんですが、電子書籍だけでもいいから、カラーページをカラーのまま収録するとかできないものですかね。この可愛い駒井先輩が雑誌だけって、本当にもったいない。ぜひ一考願いたいところです。さて本編。駒井先輩、人気のパン屋の行列に参加していたんですね。クマの顔したクリームパンでクマリームパン。このあたりには隠れた名店が多いですよという駒井先輩の話に高瀬が食い付いて、というのも、そうかここらの物件をお客さんに紹介しようって思ってるのかあ。カフェを開業したいという人に古民家を紹介しよう。それで駒井先輩がめちゃくちゃ乗り気になるのがおかしくて、可愛くて、でもってこの周辺のロケーション、歩いて見つけたいろいろを、そのカフェに活かせないかって考えていくところとかも実に面白かったです。この漫画は、仕事漫画というよりも、駒井先輩と高瀬のコミュニケーションを描くのに重点置かれている感がありますが、今回は仕事の部分、アイデア出しの様子も面白くて、大変充実していてよかったです。

『広島さん、友達になってください』。今回はちょっとシリアスです。広島の夏、というと、どうしてもあのことに触れずにはおられない。平和記念日、原爆忌でありますね。タミと一緒に鶴を折るキミ。その由来となった佐々木禎子さんに触れ、そしてキミ、友人たちを誘って平和記念資料館へと赴くのですね。ただただ静かに描かれる、そっと丁寧に、この土地に起こったこと、歴史に触れ、知っていこうとするその姿は、ただ読んで、その気持ちを追うだけでもしみじみと感じいるものあって、そしてこの試みの果てにキミが受け取ったもの、それが本当に大切なことと伝わってくるのですね。少ししんみりとした中に、ただ普通に暮らしていくことの大切さ、皆がともにあることのかけがえなさ、よくよく浮かびあがってきて、こうした時間を過ごすこと、それもまた必要なことだなあって思わされた一本でした。

『おんなのおしろ』。もうすっかり猫に翻弄されている七瀬。猫と遊んでやらないといけないって思いすぎてるのか、夢の中でも遊び、しっかりしっかり遊び、目覚めたらがっかりする。またイチからあそぶのか、って、猫飼いにはご褒美だったりせんのですか。いや、人によるんだろうなあ。子猫を軸にして、元彼の姉との交流描いている今回。微妙にかみあわぬコミュニケーションは、まさにこの作者の持ち味ってやつで、あのろくでもない男をまだ追い出せていないことを心配されてるのに気づいてなかったり、アドバイスされてもうかうかと聞き逃したりする七瀬のその間の悪さ、いや勘の悪さ? 面白いんだけど危うくも感じられて、このアンバランスが人というものなんだよとでもいいたげな感じに思われて、妙にひとごとではないんですよね。ほんと、こういうちょっとビターさ匂わせるおかしさ、実にこの作者らしい。さすがのひとことです。

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