『まんがタイムきららミラク』2014年7月号、先日の続きです。
『城下町のダンデライオン』は長女葵メインのエピソードです。いろいろな能力を持つ兄弟姉妹の中でも、強力かつ王に相応しいと思える能力、絶対尊守を有する葵さま。けれど王になることに積極的ではないのですね。今回は、消極的な理由が見えた、そんな思いのするエピソードでありました。葵、子供のころは絶対尊守ではなく完全学習能力者と思われていた。絶対尊守の能力が判明してからも、外部にはそれを秘して完全学習が能力といっている。葵にとって、それは負い目だったんですね。葵の友人たち。王族の葵を特別扱いすることなく、すごく自然な友人関係を築いている。でも、その関係のはじまり、そのきっかけが絶対尊守だったのではないかとの疑いがあって、ええ、それが葵にとって負い目だったんですね。葵の心中描いて、いろいろと心砕いている葵の優しさを描いて、これまで表に出ることの少なかった葵のいろいろ、それがぐっと前に出て、すごくよく理解できた。ああ、いい人だ、素敵な人だ、そう思わせる好エピソードでした。
『ハルソラ行進曲』、サヤの別荘に皆でお泊まりですってよ。別荘の前には海が広がる。なんと、プライベートビーチか! すごいお嬢! やなぎがいいですよね。吹奏楽部は支部大会で終わり。全国にはいけなかった。で、部活に打ち込んでたから、だと思いたいのだけど、宿題ができてない。やなぎは、真面目キャラに見えて、決してそういうわけじゃないっていうのがいいですよ。ちょっと鬱屈してたりね、そういうやなぎが大好きです。そしてサヤ。距離が近いサヤ。朱莉にグイグイ迫って、素晴しい! 大好きです。
『アンネッタの散歩道』、おお、単行本出ますか! メイヴの手紙への返事を書こうとして思い悩むアンネッタです。恋っていったいなんだろう。その答を本に求めて、『ロミオとジュリエット』で撃沈。すごい悲劇って、いやほんと、すごい悲劇ですよね。泣き濡れるアンネッタ、ついひとつ前のわくわく気分とのコントラストがものすごく面白くて、ええ、なんか悲恋の物語、多いですよね。童話でもあかんのかあ。アンネッタの世話をするメイドのメア、彼女の献身、そこに恋ではないけれど、アンネッタを思う気持ちの深さを知る。メアの生い立ち、メアの決意、ええ、そしてメイヴあての手紙に溢れたアンネッタの気持ち。そのすべてに愛情が深くこめられていた。素晴しかった。あのしみじみと綴られた筆致、丁寧に選ばれた言葉のひとつひとつが、静かな中に熱を感じさせて、素敵でした。
『ゆずりはコーポレーション』、羊毛フェルトで動物を作ります。って、これすごいな。説明、一コマだよ。説明下手だなっていわれてますけど、この説明してる間に鳥を作っちゃってる。そんな彩音が素敵です。皆でフェルト細工に挑戦して、戦力はひとりであることを印象づけた。その上で、価格設定、あえて高めにするという、この戦略。なるほど、ですよね。さらに、どうやって売り込んでいくか。そこで出てきたのがBlog。ああー、Blogってあかんよ? 商品への導入目的で作ったBlogに対する導入をどうするか、みたいな話もあって、いやほんと、Blogってあかんよ? みたいに思いながら、ゆずりはたちのチャレンジ、どういう成果を得るのか、楽しみにしていますよ。
- 『まんがタイムきららミラク』第3巻第7号(2014年7月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿