『まんがタイムファミリー』2014年7月号、昨日の続きです。
『凪くんの不運な棚ぼた』は、座敷の母のエピソードですよ。荒神波助なる青年のうちに居座ってるんですね。この人、会社員っていうんですが、大企業の社長の息子。別に座敷わらしの力を借りなくともリッチ。くそう。富は偏在している! いつも好き放題、気持ちの赴くままに生きてるみたいな座敷母、彼女の情の深さみたいなものが描かれていた今回、よかったですよ。波助は座敷母の逗留に困っている。会社にまでこられて、すごく困っている。しかし、なんで座敷母がこんなことをしたのか。その理由が判明して、波助を助けたいと思っていたこと、そしてその助けたかった理由。ああ! ほんと、座敷母、ぐっときましたよ。波助じゃなくても惚れる。しかし、あのトラックの顛末、駐車場にドスンっての、最高に面白かったです。
『カラフルぶらぱん』、こいつは面白くなってきましたよ。まずは結婚の話題から。サヨはただウエディングドレス用の商品を置きたい、そういってるだけなんですが、エリが、作谷が狼狽し興奮する。作谷は根拠レスでポジティブだなあ。エリの恋が叶う日はこないのではないか、そんなこと匂わされたりもして、彼女落ち込んで、そこで判明したのがナツなんですね。この子、女性が苦手だっていってたのに、エリとなら普通に話せてる。なぜか? ああ、エリはサヨのことが好きだから、異性と意識する必要ないからか。そこまで推理が至ったアキにはきはき話しかけるナツが最高に可愛かったです。しかし、アキ、そうして女性扱いされてないこと、気にしちゃうんですね。あの、帰宅3秒でプリンに溶けた乙女心、その描写切なく美しくって、アキ、いいじゃん! けど、ナツ、アキのこと女の子と意識してしまった……。これはどうなる? 面白くなってきましたよ。
『男子校生へ愛をこめて』、なかなかに面白くなってきてますよ。三者面談。美人で人気の篠原先生と、眼鏡が超キュートな田中先生。おおう、こりゃ確かに穏やかじゃありません。けれど、今でこそ派手で明るい篠原先生だけど、昔は違った。暗くて地味で、超可愛いじゃんよ! いや、まあ、コンプレックスだったっていうんですね。その秘密を田中先生に明かすのですよ。同時に自分の不安も打ち明けて、最初はずっと優位であったと思われた篠原先生の不安、弱みに揺れる気持ちが描かれて、この人の魅力は増した、そう思います。生徒にとっては教師で、田中先生からしたら先輩で、けれどそうした立場を笠に着て、弱い自分を隠すばかりでなく、怖れながらも変わろうと、よりよくあろうとするその姿は、この人の美点を裏打ちしている、そう感じるのでした。
『かしこみかしこみ』、めちゃくちゃ面白いです。山椒、ナツメに女の子と思われてるわけですが、正直困っている。なんとかオスと認められたい。それでいろいろ工夫する、主に衣装を。その様子が実に面白かったんですね。眉を太く装ってみれば、西郷さんだ、西郷さんだと話題に。戦国武将の出で立ち、伊達政宗の甲冑身につければ、戦国武将女人化ポスターに惑わされる。さらには桃太郎、どうも日替わりみたいで、すっかり商店街の人気者になってしまったっていうんですね。ほんと、面白かったです。さらには髪形まで整えて、ところがムクだとどうやってもムクでしかないっていう、それで内面を鍛えるのだ、そういう結果に至るんですね。ほんと、山椒、凛々しいじゃん。もう見た目にはこだわらない、そう決めた山椒のメイドスタイル。ほんと、ナツメの認識の揺らぎ、それがおさまるのはまだもう少し先になりそうですね。
- 『まんがタイムファミリー』第32巻第7号(2014年7月号)
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