『まんがタイムきららフォワード』2013年12月号、発売されました。表紙は『夢喰いメリー』、ドーナツ大好きメリーさんであります。両手にトレイ、カゴいっぱいのドーナツをのせまして、それとココアなのかな、いかにもこれから食べますよ、そうした雰囲気がメリーさんらしいです。『夢喰いメリー』はハードなバトル、それも魅力ですが、こうした日常のほっとするような情景、それもいいんですよね。ええ、大変によいメリーさんでした。
『夢喰いメリー』は体育祭が終わって落ち込む坂上です。夢魔と結びつけられたことで、自分の意図、気持ちに関わりなく得られた勝利。結果ではなく、その過程にこそ意味を見出そうとする坂上には納得のいかない、悪夢のような結果だった。けれど、そうした気持ちは白儀には理解されないんですね。夢を掴んだのに、なんで嬉しくないのだろう。もう前提が全然違ってる。自分の努力で掴むか、それとも手段も過程も関係なく手に入れるか。彼にはそれがわからないんですね。そして次のゲストキャラクター登場。漫画家を志望する柊杏莉。眼鏡キュートなお嬢さん、この子のもとに夢魔? が迫ろうとする。すんでのところで回避されて、しかしあれは誰なのか。白儀の関係なのか。なにもかもわからない、そうした状況のスタートであります。
『がっこうぐらし!』も新局面でありますよ。みーくんの見付けた感染対策マニュアル。今の状況、それを見越したマニュアルが学校職員に配布されていたというんですね。ということは、めぐねえも知っていた? 知っていてこれを教えなかった? 今ではもうわからないことです。けれどみーくんとくるみ間に生じる不和、そしてくるみの失敗。ああ、これ、どうなるんだろう。どう考えても、これはしあわせな結果には向かわないだろう。くるみが地下で見たもの、それはなんとなくでも想像できる。しかし、それでこの局面。もう絶望的としか思えない。はらはらさせられます。
『黒の路』、読み切りゲストです。独特のタッチ、トーンとか使わずに薄墨で陰影を表現した、そうした感触が面白くて、そしてその内容、絵の雰囲気に実にマッチしている、そう思ったんですね。雨の日、傘がなく濡れているところに傘を差し掛けてくれた少年。中原陽介、彼のことを思い続けている、そんな女の子が主人公なんですね。黒江みさき、少年との別れの時に贈られたリボン。それを首に巻き、彼のもとに急ごうというんですね。ライバルの白峰エリカとのやりとりも面白く、恋の鞘当て? そんな感じなのに、なんだかすごく素朴で、けどその素朴さ、その理由が最後にばっちり明かされるんですね。いや、やられました。このラスト、ああ、そういうことだったのか! ちょっとびっくりして、けどほのぼのと嬉しくなって、これはいい短編だったなあ、そう思ったのですよ。
『幽霊カノジョ』、ゲストです。夢を叶えるという手帳に書いた願い、彼女がほしい、それが叶ったっていうんですね。けどそれが幽霊。早川貴子、東京生まれ東京育ち、東京で死んだなんていうんですが、この彼女が新木少年の恋人になったっていうんですね。昔の人? ラッシュとか知らない。ちょっと偉そう? けどなんだか可愛いところもあって、そんな彼女が新木の思う人、水科さんの存在を知って、新木の背を押すんですね。その恋が叶えば自分は消える。ええ、それで新木の選択が早川さんの可愛さまた引き出して、それはちょっとよかったなあ。なんて思ったのでした。
『トモダチログイン』、新局面であります。学校が統廃合されます。よってあやめたちが、この学校の最後の卒業生となると決まりました。そして進路について、皆はどんな将来を思い描いているのだろう。話し合ったりしまして、それぞれの将来設計、夢いっぱい? あやめだけはそうした将来を思い描けずにいて、これからどうするんだろうなあ、そう思ったらですよ、ああー、両親のリタイア! 農業やりたくて都会から離れ田舎にやってきた、その母が疲れた顔で元の家に戻ろうと思うなんていうんですね。あやめ、どうする!? 振り回されて大変だな、そう思ったりもしたけれど、あやめにとってここは大切な場所になっている。ほんと、彼女はどう答えようというのか。というか、『トモダチログイン』、終わっちゃう!? 新局面なのであります!
- 『まんがタイムきららフォワード』第7巻第12号(2013年12月号)
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