『まんがホーム』2013年11月号、昨日の続きです。
『シネマちっくキネ子さん』は、キネ子さん、水着で大八君を誘惑でありますよ! いや、直接的にってわけじゃないんですが、海にて水着、大八くんと一緒に無人島? に遭難。近付くふたつの影、燃えあがる男と女の情念! みたいにはさっぱりならないのが大八君のいいところなんでしょうな。現実に生きていない男、それが大八。その経験の大半は映画で得たものだ。そんな彼に、水着姿を見てもらえなくってちょっと拗ねてるキネ子さんが、妙に可愛くてよかったです。ええ、もちろん大八はそんなことも気付いとらんわけです。
『はっち・ぽっち』、ゆうちゃん、素敵な人! お休みを満喫しているポチ子を電話で呼び出して、子猫を拾ったっていうんですね。ペットショップで働いているポチ子に助けを求めたというところ。どれくらい育ってるのか、なにを与えたらよいか、他に必要なものなど教えてもらって、そのやりとりにふたりの気の置けない関係が見てとれて実によかったです。秋になって寒くなったから、暖を求めて車のエンジンルームに入り込んだんでしょうかね。いや、実際こういうことってあるらしいですね。怖ろしい話ですよ。怖ろしいといえば、蚤取り用クシの威力。うへえ、室内に入れたくない! 子猫を飼うかどうするか、ゆうちゃんに決断させるためのポチ子の駆け引き、あれが見事でした。ええ、決断、というか、もう決まってたみたいなもんですよね。
『マチ姉さんの妄想アワー』、もうほんと面白いなあ。毎回の導入。弟が眠れない、それはいいんだけど、これ、決してお話をおねだりしてるわけじゃないっていうんですね。でも、どうしてもお話を聞くことになってしまう。その強引さが素晴しい。そして本編、これがもう最高で、やっぱり安堂友子はいいなあって思わされるわけですよ。眠り姫の100年。人魚姫の代償。ほんと、なるほどと思わされたり、妙なシビアさに笑わされたり、見事見事であります。マッチ市場の話なんかも、この微妙さ、もう天才だと思う。細かなところに届く視点、意外な展開、発想の妙に魅了されますよ。
『半熟やおよろず』、神様同士の喧嘩の話ですよ。って、鳴の両親、よく喧嘩してるなあ。父ちゃんが悪いっぽいな。というわけで今回は神様同士の喧嘩の話。古典神と人格神の区分があって、両者間に微妙に距離があるとかね、なるほど面白い。人格神は人から神様になった人たちね。いや、人じゃないか。鳴とお爺ちゃんが天神様と天鈿女命の仲を取り持つ、そんな展開。ええ、天鈿女命が天神様に懸想なさってるんですね。いやほんと、こちらは別に諍っているわけじゃなかった。知ってしまえばやっぱりほのぼの。そうしたところ、この漫画のよさだと思います。
- 『まんがホーム』第27巻第11号(2013年11月号)
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