『まんがタイムきららフォワード』2013年2月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』、晴着のなるがとてつもなく可愛いですね。ちょっと崩しぎみに座りこむ、その様子、八の字眉。周囲にはちんまくなった皆がいて、髪飾りや帯留めをなおしたり、また鳴子を持ってたり、華やかで綺麗、そこにちんまくて可愛い、いろんな要素が共存して、実にいい感じの表紙になっていますよ。
『あんハピ♪』、新連載です。自分を不幸という女の子、雲雀ケ丘瑠璃。天之御船学園に入学したというのですが、特にこの学校に入りたかったというわけではない。離れたくない誰かと離れてしまった、そのことを憂いているんですね。そんな彼女が橋を渡ろうとしていた時、出会った女の子。なんと橋の下にぶら下がっている。犬を助けようとして落ちた、今は服が橋の構造に引っ掛ってるだけの状態。瑠璃に犬を託して、落ちていくんですね。花小泉杏、その子の名前。この子と瑠璃、ひばり、はなこと呼びあう関係になって、なったの? そこにもうひとり、久米川牡丹、病弱な女の子が加わって、この子らがメインの3人みたいですね。さて、この学校、生徒各人の才能を伸ばすことに重点が置かれている。けれどひばりたちのクラス、七組はというと、幸福になってもらうという。不思議な話。まさに導入、つかみでありますよ。
『球場の令嬢』、こちらも新連載。野球部もの、であるのですが、舞台はほぼ女子校。井上涼介、彼が唯一の男子生徒。今年から共学になった、ここに引っ越してきた、その時に出会った人、緒方亜梨子、この人に誘われて入学を決めた。緒方亜梨子、生徒会の副会長。男子ひとりとか、さすがに想定してなかった。それを詫びて、やってもらいたいことがあるという。男子野球部を作る。少子化で学校の存続があやうい。なので女子だけでなく男子もとろうということになったのに、この状況。よって広告塔とするために野球部を作ろうというんですね。ああ、緒方さんの叔父が理事長だっていうんですね。野球部として活動すれば、学費を免除するという交換条件つきで、やってもいいかなあ? かくして亜梨子をピッチャーに、遠見野学園男子野球部、始動するというのですね。
『まひるの夕日』、ゲストです。七塚ユウ、人付き合いが苦手という彼のクラスに転入してきた女の子。入野まひるさん。ユウの昔を知る女の子。子供のころ、ユウはむしろ活発だったというんですね。そんな彼にいつもくっついていた弱虫の女の子、それがまひる。でも再会した彼女はすっかり活発、すっかりできる子になっていて、ユウとは対照的。そんな彼と彼女、昔のこと、覚えてたりするのかな? そう思って読んでたら、そうはいわないだけで、ちゃんとわかってるんですね。掃除の時間、ふたりになって、話題に困ったユウ、団子虫を渡して、怒らせてしまう。さらに弱虫まひるといって、決定的に怒らせてしまう。ああ、まひるは過去の弱かった自分と決別したいんだ。ユウ、なんとか謝ろうと、何度もチャレンジして、このふたりの雰囲気、悪くないじゃありませんか。ちゃんとまひるに謝ることができて、許してもらえて、ユウの世界も違うものになっていきそう。これ地味っぽいけれど、よさそう、そう思わせるものありますよ。
『少女素数』、咲ちゃんひさしぶりー、搗栗家にやってきた咲ちゃん。親戚ですね。どこにお住いなんだろう。もう言葉がね、豊かでね、方言ですね、富士夫兄さんのいうように、やっぱりいいですよね。さてさて、咲ちゃんの見るあんずとすみれ。ふたりで兄を相手にプラモデル早組み競争、百人一首、かるたで勝負をかけるすみれ、バドミントンが得意なあんず。そっくりなふたり。けど違う個性、それはほんとあたりまえなんですけど、あんずたちからしたら最初から全然違う。大人びたり、子供っぽかったり、似てると思うときあれば、違うときもあるし、色々な姿、顔、側面を見せてくれる彼女ら。それをうけて咲ちゃんのいったこと、おんなのコってそうそう簡単にわりきれたものじゃないですよ?
ああ、永遠に割り切れない存在としての素数。ここに核心をついてくるわけですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第7巻第2号(2013年2月号)
引用
- 長月みそか「少女素数」,『まんがタイムきららフォワード』第7巻第2号(2013年2月号),376頁。
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