『まんがタイムファミリー』2013年2月号、発売されました。表紙、テーマはお正月ですね。餅つきしている『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代がついて、あゆたんが返す。しかし、ふたりとも晴着で、餅をつくにはそぐわない格好みたいにも思いますが、カツ代など、額に汗を受かべて、本気の餅つき。こういうの、この子ららしいなあ、そう思わせるものがあるんですね。そして『ひかり!出発進行』、ひかりは書き初め、千客万来。あろひろしの新作告知のカットもございます。
『うのはな三姉妹』は、おお、前戸くん、やる気を出しましたね。桜に対し本気を出す。一週間と期限を切って、その間は手出し口出ししないでくれ、南田に宣戦布告、いやむしろ決意の表明か。ばしっと告白したるでというんですね。でも、桜のまわりにはいつだって誰かしらいるし、生活のリズム、全然違うし、なかなかうまくいかない。それでも果敢にチャレンジするんですけど、ほんと、踏み切れないのはしゃあないよな。面白かったですよ、彼の克己心がそのたび挫ける、その繰り返しの最中出現した台詞、おつゆもおかわりしたいねん。どうしたらいいかわからんくらい面白かったです。しかし、これ、結局は南田の背を押しただけに終わりましたね。桜、全然考えてないみたいですけどね。それがまたいいですよ。
『教師諸君!!』は、クリスマスもとうに過ぎて年末。年越しや新年の行事、もろもろについて話してるといったところです。来年の干支についてのいろいろ。巳ですね、蛇。西洋のイメージも含めて語られる蛇。へー、水の神とかはよく聞くけど、大地どころか火の神まで、すごいですね。ちろちろ口から出す赤い舌とかも、そのイメージに関与してるのかな? あと医学を司るというの、これは知ってたけど、弁舌、技芸、音楽までとは、ほんと知らないことがいっぱいですよ。続いて、少し前に出てきた話題、年賀をメールでするか葉書を出すか、そいつを入り口にして古代における文字の位置付けに話を展開していく。こうした知識の流れ、それがほんとスムーズで、ほんと面白かったです。そして皆で初詣。こうして人と出会って関わっていくことで、人は少しずつ変わっていく。そうした変化の模様、そこに読者も参加してるのだろうなあ、なんか西名先生の言葉に、そんなこと思ったのですね。
『妖こそ!うつつの分校』、あろひろしの新作です。山奥にある分校、宇津角学園にやってきた教師、間榎甲兵。ええ、タイトルからも伺えますが、この学校、妖怪たちが通っているというんですね。間榎を木の上から出迎えた女生徒、木に登ってるのかと思いきや、頭は樹上に、体は校舎に、その間には長い首が伸びてるっていうんですね。登場人物の名前が、彼らの正体のヒントになっています。校長の徒爪、この人は一つ目。同僚沖津先生、この人は多分狐でしょう。海寺奈賀芽はうなじがながい、ろくろ首ですね。浦野桑江は二口女房で悍馬瀬粧はのっぺらぼう、雪原沙々女は雪女、こうした強烈な個性を持った生徒たちの通う学校、はたして間榎はどれくらいもつのか。いや、いずれ馴染んでいくんでしょうなあ。個性の強いキャラクターたちがどしどし出てくるところ、実にあろひろしらしいノリがあって、とてもよいと感じます。
『博士の白衣女子攻略論』は、ああ、機械の話。記録紙が出てこない。白銀くんが確認するものの、おかしなところはない。なのでハカセの出番であるのですね。機械のクセに合わせて微妙に調整しつつ、応援、その後、誉める。いや、なんだろう、これ、わかります。以前の職場なんですが、紙詰まりの酷いプリンターがあって、けど自分がそばにいると詰まらない。なので、おまじないみたいに、プリントアウトの間、そこに立ってるという仕事があったんですよ。励ましたりはしませんでしたけど、機械の機嫌を伺ったりお祈りしたりと、こうした気持ちの問題、あるいはジンクスもろもろ、ええ、よくわかる、うんうんうなづくものがありました。あと、異世界の住民、ああ、世界違うわ、理解する。ええ、自分も無理な感じ、違う感じ、しますよ。今回は、論理理屈でもって事象を判断しそうな人たちも、意外やそうではない、縁起だってかつぐし、お化けとかは怖い。そういうエピソード。理屈だけではとおらない、人間くささ、そうしたものが感じられるところなど、よかったですよ。
- 『まんがタイムファミリー』第31巻第2号(2013年2月号)
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