2012年10月15日月曜日

スイート マジック シンドローム

 『スイート マジック シンドローム』、これが私の初CUTEG遭遇とあいなった漫画であります。『まんがタイムきららミラク』に掲載されている漫画。どえらい可愛い絵、ふわふわなお話。読むと気持ちもふわふわになる、そんな感じで大変気にいっていたんですが、ええ、この数ヶ月、ああCUTEGって人、売れっ子なのか! 実感させられること多くてですね、アニメ化されたライトノベルの原作イラストがこの人だったり、アニメ化されたライトノベルのコミカライズがこの人だったり、他にもあちこちでイラストやらなんやら描いてる! おおお、そうだったんか! といったところで、この漫画がこの時期にリリースされたのは、いいタイミングだったんじゃないの? なんて思っておったのでした。

しかし可愛い絵であります。主人公甘子のもとにやってきた、お菓子王国の第二王女プリン、って、このお菓子王国ってところからふわふわであるわけですが、こうしたふわふわを受け止めて体現するふわふわな画面。それが実に素晴しい。子供のころから引っ越しばかりで友達を作れなかった甘子が、高校入学を機に友達作ろう、そう意気込んで入ろうとした茶道部は部員不足でなくなってしまってた。そうしたところにやってきたのが、くだんの王女様プリン。家出したきたっていうんですね。で、プリンが入部してくれる。えええ? 学籍とかどうなってるの? 小さなことです。最初は、そうした細かなところにちょこちょこ引っ掛かったものでしたが、読んでるうちにどうでもよくなりました。甘子が、遊んでばかりじゃない、まじめに授業も受けてるっていってたように、きっとなんとかうまいことやったのでしょう。ええ、ほんと、冗談抜きで瑣末なことは気にならなくなります。

甘子のもとにあらわれる女の子たち。プリンの関係者ばかりなんですが、クレーム姉さん、ショコラ、キャラメル、ワッフルなどなど、皆可愛くて、個性的で、彼女らの関係、交流の様子が見ていてほのぼのするばかりでなく、結構面白いのですよ。甘いお菓子を食べたり食べたり食べたりしている漫画、そのお菓子を囲んでのやりとりに、くすりと笑わせられる瞬間があるんです。ちょっとしたこと、小さなところに面白みがある。また人の気持ちの動く、そこにおかしみがある。素直だったり素直じゃなかったり、そこに面白さがあるというのは、それだけ人の気持ちの機微、うまく描かれているからなのでしょうね。キャラメルに対する甘子のお父さんの危機感とか、かなり気にいっていて、読むほどにこの楽しい人たちが好きになっていく。そうなれば、より一層に面白さも増すといった具合なのですね。

気を張らず、気楽に素直に読んで、そうすればきっと何倍にも面白くなる漫画だと思います。安らいで読む、そんな漫画でありますよ。

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