『まんがホーム』2012年11月号、昨日の続きです。
『呪え!みやすたん』、六条御息所の生霊でありますよ。ちんまりとして可愛い。けど、生霊。光源氏のお側に健気につきしたがって、なんてものじゃなく、ストーカーだよな。光の目に見えないことをいいことに、つきまとう。人の恋路を邪魔してまわる。その手段っていうのが、光に届いた恋文、そいつを誤字だらけにしてしまうとか、そういう地味なのですね。そして今回、ついに紫の上が、紫の上が登場ですよ。どうも紫の上にはみやすたんのことが見えている模様。これ、もちろん陰惨なことにはならなさそう。ええ、続き、楽しみですよ。
『お悩み社のコン吉さん』、ナントカですよ、ゲストですよ。いや、驚きました。まったくの予想外。このところのナントカラッシュ、実に嬉しいのでありますよ。さて、コン吉、神様んところで見習いやってる子狐なのでありますが、えらいことあかんたれ。神様が留守にするとなったら、お休みですね、その間頼むとがま口渡されれば、逃げるんですね、まったくもって小心者です。で、そんな子狐が子供のお願い、赤ちゃんが無事生まれますように、そいつを聞くことになるわけです。頼みは、神様の渡してくれたサイコロですよ。導かれるままに、隣町の大社の見習い子狐コン之進の助けを借り、安産の神様お戌様に頼みに詣でる。いや、おかしかったです。ゴッド母ちゃんといったお戌様、すっかりおびえた子狐二匹、お尻舐めてやるからとか、もうほんと、たまらん面白さ。お願いにきた子供を励ますのに、安産マンとやらに化けるとかもね、ほんと、もうすごいテンションでおかしくてたまりませんでした。ラストも、ちょっと切ない子供ごころ描いて、けどあの落ちでしょう。最高でしたよ。ほのぼの風で、ちょっとシニカル。でも、この漫画はほのぼの増量って感じですね。それでもこの面白さ。見事でした。
『どろんきゅー』、面白いなあ。電車で聞いた兵士の霊の話。この話を聞いた人の所には兵士の亡霊が一個小隊でやってくる、って、すげえな、50人とか。兵隊さんを帰す呪文、そいつを知ることができなかった果歩。帰宅すればお母さんがお通夜で留守とか、ほんと、運の悪いこの子、泣きながら必死でアキちゃんに電話をかけるとか、たまらん可愛さです。しかし、ストーカー幽霊、あの子、いいなあ。いや、ほんと、怖いんだけど、いじらしいですよね。で、落ちですよ。デタラメバナシ。ああ、嘘話かあ、そう思わせて、ばっちり一個小隊、しかもちゃんと警備してくれてたっていうのね。幽霊に愛される女の子、実に面白いです。
『地味なコ、派手なコ』、いいですよ。西條サンが地味に見えない理由、無駄な動きが多いっていうところからスタート。その実例として、静かにボールで遊んでるワンコ、対して全身で遊んでアピールしているワンコ。わかりやすいは面白いは、これはいい見立てであります。で、地味なコが地味なワンコをしみじみなでてる。そんな千草をしみじみなでる西條サン。いいなあ、いいよ、すごくいい。しかし、このふたりの関係、西條サンが、千草みたいになりたいわ、そういえば、千草も西條サンみたいになりたいと返す。お互いに相手を尊重している。そんな友情。自分にないものを持っている相手に憧れて、よいところを学ぼうとする。そんな関係、もうほんと、なんて素敵なんだろうって読むたび読むたび思います。
- 『まんがホーム』第26巻第11号(2012年11月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿