『まんがタイムきらら』2012年11月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』ですね。つみき、姫、真宵、三人のお嬢さん。暖かみのある色合いに秋のらしさを感じつつ、皆、眼鏡を装備。これも秋なのでしょうか。ちょっと知的に読書など洒落こんでみる? いや、本はどこにも出てないんですけどね。可愛い娘たち。ちょっとおすましつみき、それと一番文学少女っぽい姫。皆かわいらしくていらっしゃいます。
本編ではお団子のつみきに『ゆゆ式』扉のお団子縁、お団子流行なのかしら?
『チェリーブロッサム!』は、おお、いよいよつばきの登場ですよ。大咲との初デートに浮かれる幼なじみ、はいいとして、どんどんアレな娘になっていっちゃってる気が……。最初、もっと普通だったような気がするんですが……。さてさて、期待いっぱいの待ち合わせの場面、そこで三葉に遭遇、錯乱するつばきが素敵です。なんと、面識なかったんだ。まあ、そりゃそうだよな。従妹だもんな。しかし、本当、大混乱回でしたよ。つばき、三葉で混乱。三葉の日用品買いにいった先で、綱島先輩とも遭遇。ああ、たまたま知り合っていただけで、園芸部の先輩とは知らなかったんだっけ。ということは、大倉山先輩もくるのか? そう思ったら、綱島先輩のお母さんでした。大咲への好意を隠さない三葉に綱島先輩。対し、好きという気持ちを明らかにできずにいる自分。苦しいなあ、つばきさん。しかし、長い間温められていた伏線、それが一気に投入されたという感じ。三葉も、登場から沙咲野とのやりとり、そして先輩たちとのやりとりと段階を経て、そのポジションが確立されている。長いスパンで作られている、その前提が効いていると感じましたよ。そして最後。ああ、動揺する大倉山先輩、可憐だ。これ、次号こそ見せ場でしょう。ほんと、どうなるんだ。もう、見ずにはおられんですよ。
『箱入りドロップス』、素晴しいな。クリスマスのバイト、ケーキ売りに精を出す男ふたり。そんな彼らの前に現れた美人さん。ああ、お姉さんだ。ほんと、かっこいい人。それが妹といつも一緒にいて世話焼いてくれているやつとわかった上で、妹のためのケーキを選ばせる。いまだサンタクロースを信じている妹のために、サンタクロースを演じるためにはるばるやってきた。ああ、なんていいお姉さんなんだろう。男ども、陽一らも素晴しいよね。雫の部屋に忍び込む不審なサンタを見て、この上なく心配する。陽一のシリアスは、雫のため、そこに注がれて、ほんといいやつだと思います。そして、姉から雫へのプレゼント。泣ける、本当に泣ける。今の、この友達と過ごす時間、それを思い出にとどめるよすがになるようにと贈られたカメラ。姉の妹への愛が溢れて、たまらないエピソードでした。
『女子大生生活様式』、オープンキャンパスで大学構内あちこちに高校生の姿が見える。こよ、ねねはオープンキャンパス経験者。ことねは知らないっていうんですね。模範的な大学生像を見せねば、というわけで、ことねは帰った方がいいんじゃないか。酷いアドバイスもあったもんですが、まあ、わからんでもないです。でも、そんなこというこよも、半分くらい落ちるんだし、だなんて酷いこといってる。模範的じゃないよね。この漫画、まだゲストだったんですね。普通に連載かと思ってました。今回も、迷子の高校生案内させて、三人娘の個性よく表現して、楽しかった。一番バランスのいいねね。ことねはというと、結構シビアというか、バタバタしてるだけで現実見てるとこはちゃんとしてる。気さくでいいやつなんだなってのが伝わってくる。大学の友人たちからも好かれてるってわかる。楽しい回でしたよ。
『きのうよりいい日に』、前回ゲスト掲載は5月号ですね。放課後だべりの会の四人。ひかり、ちか、みさ、はづな。青春らしいことをしてみようというひかりの発案に、皆が自分の趣味、余暇の過ごし方などを延べる。っていうか、聞き出してるって感じですね。で、一番有意義そうだったのが、はづなの料理、お菓子とか作るのが楽しいっていうのですね。で、ふたり感化されるものの、ちかはレシピを探そうとネットを開いた途端、気が散って終了。ひかりはちゃんとクッキー焼いてきたのだけど……。この漫画、それやれないパターン
だとかやろうやろう言ってても中々行動に移せないのが人間
だとか、いろいろ厳しいご意見散見されまして、ええ、反省しました。反省しましたとも。
『ごめんね。夏目ちゃん』、これ素晴しいな。冒頭ちよりが謝って、夏目ちゃんが許さない! それがパターンかと思ったら、見事にはずしてきたわけですよ。すでにちよりが怒らせた後。交換日記をなくしてしまったというので、友達巻き込んで作り直して誤魔化そうっていうんです。ちよりが皆にお願いするところからはじまる今回、いや、これは大変によくできてます。連載にして3回目。お定まりと思われたパターンを崩してきた上に、交換日記作り直しの過程で、ちよりをはじめ、桜子、しえ、ひかりのプロフィール、人となりを見せてくれる。これ、うまい構成だなあ。最初の2回で、基本的な話の展開させ方を見せたわけですが、こうして3回目、キャラクターも浸透した頃合いを見て、改めて登場人物を紹介する。どういう子だろう、どんな子がいたっけ? そうした疑問興味に応え、かつ状況を整理、わからないと離反する読者が出ないようにしているんでしょう。いや、ほんと無理ない紹介回であり、面白く楽しく、そしてラスト。この展開は、正直、予想していました。けど、まさかあんなに泣くとは思ってなくて、それでやっぱりごめんね、なんですね。見事にパターン崩して、けれど『ごめんね。夏目ちゃん』、その基本はまったくゆるがせにせず、素晴しかった。もう感心するやら、ちょっとほろりとするやら。ちよりも夏目ちゃんも、いい友達どうしなんだなあ。ほんと、なんだかじんわり、暖かな気持ちになりました。
ところで、みんな、服装、アクセサリー、小物、可愛いですよね。ちよりが意外とお上品。髪留めとかお洒落で、でもこれはどの子もだなあ。その人となりのわかる服装。どれも魅力的で、小物の語る個性、ちよりバラ、夏目ちゃんクマとウサギ、桜子がリボンで、和歌はネコ。どれもちゃんと子供らしさがあって、見ていてほのぼのします。手がかかってますよね。素晴しいです。
- 『まんがタイムきらら』第10巻第11号(2012年11月号)
引用
- かれい「きのうよりいい日に」,『まんがタイムきらら』第10巻第11号(2012年11月号),114頁。
- 同前,115頁。
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