2012年10月1日月曜日

『まんがタイムファミリー』2012年11月号

『まんがタイムファミリー』2012年11月号、先日の続きです。

『ひよっこシスターの安息』は、おお、扉のシスター雛形、めちゃくちゃ可愛らしい! さて、雛形さんの来し方ですよ。シスター根津を先輩と懐く若かりし頃の雛形さん、って、今だって若いんだろうけどさ、きらきらしててめちゃくちゃ可愛くて、ただちょっと、あまりにくっついてくるから面倒くさいらしい。昔からやんちゃだったシスター雛形、シスターになる前、学生の頃は剣道やってたんですね。河川敷でシスター八木沼と出会った雛形の、迷子になった寂しさか、それとも選抜に選ばれなかった喪失感か。そうした気持ちにシスター八木沼の振る舞い、それから言葉が届いちゃったんでしょうね。しみじみと心に伝わってくるものがある。また、シスター八木沼の若い日の思い出。人には歴史があり、その時々の思いが積み重なって今があるのでしょうね。いいエピソード、感じいりました。

『うのはな3姉妹』は商店街のイベント、ハロウィンでありますね。カボチャのランタンをかぶった桃子、思わぬ特技にびっくりですよ。なるほど、姉妹だから声が似てる。簡単に桜のふりができるのか。騙される南田。そして桃子の夫、洋平も。途中途中に不思議お菓子の、はたまた仮装の、コメディタッチでわいわい楽しい商店街の様子、これでもかと描いてきたくせに、最後にぽつりと桃子のあの台詞、声真似くらい分かれよ ばーか、しんみりと切なく、さみしげ。その表情がカボチャランタンの向こうに隠されてる、そのことがことさらに桃子の心情、深く感じさせてくれたのでした。そして父ちゃん、ああ、父ちゃんは偉大だ。ちゃんと娘のこと、わかってるんだなあ。

『地味なコ、派手なコ』、もう本当に大好き。地味な子が好き、恋する相手にそういわれて、地味を目指す派手な女の子西條サン。クラス一地味な千草を手本に地味活頑張ってるんだけど、一向に地味にならない。しかし、そのことを自分のせいじゃないかと心配するとか、どんだけ千草、いい子なんだろう。さて、西條サン、再び告白をするっていう。そんな彼女を心から応援する千草、いざ告白という段になって不安にかられて、以前は踏み出せた一歩を踏み出せずにいる西條サン、ああ、なんて健気なんだろう。このふたりの気持ち、その模様の描かれようが実にいい。ほんと、この漫画、すごくよいのです。

『めがねのキミと博物館』、最終回ですよ。うわあ、香坂さん、消えちゃう? そう思っていたら、すんでで消えずに残った。それでもこのまま放っておいたら、また消えちゃうかも知れない。だから、その可能性を消してしまおうっていうんですね。躊躇いもなく鏡を壊すと決めた内藤、岩本、ふたりの香坂を大事に思っていることが明らかで、ああ、やっぱり好きですよ、この人たち。そしてラストへ。社長、元気だったんですね。よかった。岩本さん、恋が成就したんですね。よかった。そして、香坂さんを生み出すことになったあの子、お元気で、よかった。ほんとうによかった、そんなラストは実にさいわい。この漫画に相応しいものでありましたよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第11号(2012年11月号)

引用

  • 水谷フーカ「うのはな3姉妹」,『まんがタイムファミリー』第30巻第11号(2012年11月号),120頁。

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