『まんがタイム』2012年11月号、発売されました。表紙は、芸術の秋、モナリザになった『おとぼけ課長』を、『綾のかるた』綾と『ほめよめ』かのん、そして『らいか・デイズ』らいかが描いている、そういった趣向の表紙。面白い。なんだか楽しくなってくるような表紙です。『まんがタイム』の文字からペンキがたれてるし!
『あいすべきものものどもへ』EYE編であります。今回は、目で見て人が嘘をついているかどうか判別できる、そんな能力を持った兄妹の物語でした。付き合っている相手が嘘をついた。それでもうがっかりしてしまってる瞳なんですが、嘘が見えることで、もういろいろ嫌になってしまっているっていうんですね。誰も彼も嘘ばかり。けれど、それを兄に相談すれば、おお、兄貴さんは随分達観されてる。ついていい嘘もあるんだよ。嘘をつかない人、職場の同僚の女性を瞳に紹介して、しかしこの女性ノセも嘘をつく、大きな大きな嘘をつくってところを見せるんですね。ああ、これは恋のお話だわ。見事に設定活用して、面白いショートストーリー作り上げていたと思います。
『ほめよめ』、かのんさんは、なんのかのんいっても可愛い人だ思うわけですよ。食欲の秋ですっかり実ってしまった。胸だけ大きくなるんだ。で、好みの服には胸は邪魔なんだ。というわけで、ぺたーん女子あっこみたいになりたいと、彼女の家の剣道教室に入門しようというんですね。うむ、よい心掛けじゃないですか。しかし、怖い父。妙な威圧感。これ、よく道場潰れずに存続してるよな……。しかし、かのんの不純な動機に激怒しつつも、決してあきらめずチャレンジしてくるかのんにほだされて、いや、実際、この漫画の魅力は、かのんの明るさと、かのんの前向きさ、それだろうと思わされるわけです。しかしあっこの父の教えた痩せるための方法、まったく剣道関係なくって、まったくそのとおりで、いい落ちになってましたよ。
『ジムメン!』は相変らず花巻が酷いというかガッカリですよ。友人に彼女ができたと、一抹の寂しさ覚える征一に、ムカつくな! と同意を求める彼のひがみ根性がナイスです。いやまあ、花巻はいろいろ残念な経験があるからなあ……。と諒解したところで、駄目な大人たちの駄目なアドバイス。付き合ってるかどうか定かでないという初芽、彼女といちゃいちゃだけど奇跡として受け入れてる暁など。ある意味というか、どっからどう見ても変わりものばかりが揃っているジムであると実感させられました。しかしね、あの葉子さんですよ。素気ないジーンズ姿の彼女も彼氏募集中。いやほんと、放っとく男連中の気が知れませんよね。というわけで、征一がいくのかしら? ええ、花巻は残念ポジションが似合っていると思います。
『ノコひけ!工業娘。』は、工業高校という設定生かしつつ、柔軟にイベント展開していってるという印象ですね。今回は体育祭ですよ。ほぼ男子校の工業高校であるため、ほぼ女子クラスのインテリア科は学年縦断で男子たちに対抗ですってよ。でも、男子は別。たった二人で全科に立ち向かえっていうんですね。むごい! 今回、なにが面白いといっても、他科の男連中ですよ。女の子にいいところ見せたい。ちょっとの仕草に、自分に気があるんじゃないかと勘違いする。いや、わかるわ。悲しいほどにわかるわ。それが思い込みっていうことも、すごくよくわかるわ。ちゃんと勘違い女子がいるところもいいですね。桜の先生へのアピール、先生の冷めた目が最高です。工業高校らしさは、障害物競争のカンナ削り構造計算、アーク溶接に現れて、って、I科って溶接とかしないよね……。するの? 借りもの競争の欅、檜葉、ええと最後の読めない。木偏に匪賊の匪、って、これ、カヤか! いやもう面白かったです。綱引きの失策も、二人で40種目も、実にいい馬鹿エピソードでした。
- 『まんがタイム』第32巻第11号(2012年11月号)
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