『まんがタイムスペシャル』2012年7月号、先日の続きです。
『カブルモン』は、不思議というか妙というか、独特の味があっていいですね。一二見もエヴェレッタちゃんの中にはいることになった。サポートを覚えるには着ぐるみに入るのも大事っていうんですが、それにしてもクールな彼女。動じないなあ、そう思ってたら、ああ、肌タイツ一丁ともなると、やっぱりちょっと恥ずかしいのか。このあたりから充実する着ぐるみ知識。ただ知識や情報を羅列するのではなくて、途中途中に一二見や部長のキャラクター、それでおかしみを添えていくのはいい感じ。そして肌タイツをつけ面をかぶることで、自分ではないなにかに変わる。そのロマンとでもいいましょうか、それが感じられたのは大変によかったと思います。って、ちょっとちょっと、高沢さんの匂いだとか、一二見さん、えらいことおっしゃってますよ。で、これでまだ終わらない。次回は部室の外に出ていくんだ。ただでは終わらなそうで、いいですね。
『どろんきゅー』は素晴しいな。果歩に届いたラブレター。女子校なのに? どころか、差出人は幽霊か。物陰から果歩を見守る、その姿は可憐だなあ。と思ったら、水、水の中とか! さらにショーウィンドウ、普通にしてたら可愛いのに! しかし、果歩、幽霊に愛されてる女の子。オバケなんかもうやだって、散々に思ってる果歩ですけど、ほんとは守ってもらえてるっていうのね。幽霊側の片思いなんですけど、気付かれなくとも健気に果歩のことを見守る幽霊たち、ほんとよいですよ。見た目は怖いのになあ。怖くて優しい、そしてすごく楽しい。いい漫画です。
『シュガービーチ』は城崎美麗によるみなとスカウトですよ。上等お菓子でちくらを懐柔するとかあの手この手がいい感じ。加えて、ビーチバレー以外のところでもみなとの可愛さにまいりつつある? いや、ほんと、いい感じですよ。美麗と皆のやりとり、それも面白く、揺らぐ部長。嫉妬なのかい? 辛辣なエミちゃん。ほんと、素敵でした。で、美麗、みなとをあきらめる。あの流れ。そしてみなと誤魔化す。ほんと、ものすごく面白かったです。っていうか、エミちゃん、どんだけみなとのこと好きなんだ。
『趣味じゃない園芸』は蘭々と藤野さんによる植物園案内ですよ。本来は園長の仕事、けれど姿が見えない。なので代打。正統派の藤野さんに対し、病害虫の味のどうこうのと、はみだし解説が光る蘭々。で、蘭々の方がうけるっていうのがいいですよね。うん、実際こういうことってあると思います。しかし園長の案内を期待していた参加者たち。その人たちが選んだ蘭々の解説。園長さんみたいでよかったとの御言葉までいただけて、って、園長、どんな人なんだ……。つつじの蜜を吸ってる人。真面目な人なんだろうけど、どこか変わってる人。園の縮小案をうけて、姿をくらませたのか。いまだ去らぬ危機。あんまり危機感のないスタッフたち。この温度差など、深刻さがなくって、実にいいと思います。
『21時のシンデレラガール』、面白かったです。ついに麗がファッションショーの舞台に立つことになった! っていうんですが、なんてこった、トラブルで衣装が届かない。不運といえば不運。そんな麗に、自分のぶんを1着まわしてあげて欲しいというアヤさんとか、いい先輩に恵まれたなあ。その好意は、残念ながら受けられなかったのですが、その時のいいわけ、アヤさんに響いたんでしょうね。もう終わるというところで届いた衣装。それを着て、アヤさんと一緒にステージに立つのね。ああ、よかったなあって思ったんですよ。いつもコメディタッチ。けれど麗が頑張ってるのは確かなんですよね。頑張ってる人が報われる、そんな話はよいなあ、なんて思ったんですね。
- 『まんがタイムスペシャル』第21巻第7号(2012年7月号)
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