2012年5月18日金曜日

『まんがタイムファミリー』2012年7月号

『まんがタイムファミリー』2012年7月号、昨日の続きです。

『はなとふたば』は弟タキが発熱。なので代わりにユキがバイトいくことになって、その店に向かう途中、タキのこと、丈夫になったんだと述懐している、そのユキの心境、変わっていく、いつのまにか変わっていた姉弟関係を思う、この場面、よかったなあ。タキ、自分の開けた穴を姉に埋めてもらうことを躊躇する。いつまでも姉の影に隠れていたくない。そうした変化、姉の気付いていないところで、おこっていたんですね。よかれと思って見舞いに呼んだのどかちゃん。それを感謝しつつも、カッコ悪い姿を見られてしまった、落ち込んで、ああ、それでユキも落ち込んで。知らないうちに成長していた弟。自分の思っていた弟像とのギャップに戸惑って、この感覚、なにかすごくいいですね。恋の物語よりも、この姉弟の関係、そこに魅力が感じられます。

『ひよっこシスターの安息』、木のうろにはまりこんですねている鮎子さん。いや、もう、可愛いな。ぼとぼとぼとってさ、進路でもめてお父さんと喧嘩。出てってやるといったら帰ってくるなといわれてしまった。いや、もう大変だ。もしかして、一晩シラクマ教会のお世話になるのかな? そう思ったんだけど、違ったみたい。頼りないシスター雛形と話して、説得とか、そういう感じには全然ならないんですけど、シスター雛形ののんきさ、普段の風を崩さない、そうした態度に落ち着きを取り戻したのか。また、父親の方もラーメン屋頼りにして、和解ですね。シスター雛形にしてもラーメン屋の大将にしても、ちょっとした交流、手助けともいえないくらいの、ちょっとしたサポートだったんだど、こういうトラブル、悩みがあった時に側にいて、ちょっと助けてくれる、寄り添ってくれるっていうのがいいんだと思うんですね。

『地味なコ、派手なコ』、ゲストです。地味なお嬢さん、鈴木千草に地味になるにはどうしたらいいか、そういって教えを乞う西條花蓮はクラスの中でも一際目立つ派手な女の子。全然接点がない、そんなふたりがこうして接近するようになったのはなんでなのか。わからないうちは、なにかからかわれてる? 面白がられてる? そんな風にも思ったりするんだけど、それこそ千草の友達が心配したみたいにね、けどそうじゃないっていう、あの派手で明るくて、天真爛漫、なにも悩みなんてない、なにをしても楽しそう、っていう花蓮が見せた意外な表情。こういうのうまいですよ。基本は地味と派手のギャップ、花蓮の地味を志向しつつ、なんでかエキセントリックになってしまう、そんなおかしさを押し出して、けど要所にただ面白いだけじゃないって、彼女らの本心であったり友情であったりをもって押さえてくる。悪くないなあって思ったんですよ。私、これは好きになれそうに思う、というか、きっと好きになる、そんな予感がしています。

『レッスル・ミーツ・ガール』、前回に増して、なお面白さ感じさせて、見せ方の工夫ですよね。前回も、ネタがよく練られていて面白い、そう思っていたんですが、絵が繊細と感じられて、ちょっと遠くから見ているみたいな感じがあった。けど今回は画面がよく整理されて、ネタがより前に出てくる、より伝わってくる、そんな近しさがありました。また、当然、キャラクターの存在感も増して、いや、ほんと面白いです。前回では緻密だった背景が、見やすい誌面を作るために整理、簡略された。これはネタ、キャラクターを見せるという点ではいいのだけど、いい背景だなあ、そう思ってたりもしたからちょっと残念で、ほら引っ越しのバイ、いや、トレーニングの場面とかさ、でもこのへんはトレードオフ、どちらかを立てればどちらかが立たなくなる。今回の見せ方のほうが四コマ漫画としてはよいのだと思います。女子プロレス漫画、プロレスならではのネタをうまいこと使って、また登場するキャラクター、その個性を押し出してくる。ふたりの美枝、あれは面白かった。ウケ狙いとかあるんだ。あの、うらーっ、からワンモアー、あれはいいよ、ほんと、可愛いなあ。可愛いといえば、高邑小鳩、この子もいい。ヒールなのか! この見た目でヒールなのか! で、先輩もまとめて攻撃とか、いや、面白い。テンポがいい、ネタの組み立てがいい、これはとてもいい、面白いです。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第7号(2012年7月号)

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