『まんがタイムスペシャル』2011年8月号、昨日の続きです。
『夏乃ごーいんぐ!』、なんと、最終回でした。驚きました。けど、これだけ長くやってきたのだから、ああ、もう充分なのだろうなあ。感慨がないわけではないけれど、悲しく思ったりすることはありませんでした。思えば、『夏乃ごーいんぐ!』がたかの宗美初遭遇でした。おお、面白い。そう思って、『まんがタウン』を買うことになった。もう、そんなことも懐かしいですね。何年になるんだろう。読んでいけば、ちょっとずつ変化してきてたんだろうけど、基本の線は変わらない。その変わらなさが力であったな。そう思うのですね。最終回も、ちょっと一色添えながらも、これまでに展開してきたネタを駄目押ししたという感じで、ああ、やっぱり変わらずの『夏乃ごーいんぐ!』。大変よかった、そう思ったのでした。
『だんつま』、いいですね。今回は皆でお買い物、なんですけど、誘われなくてすねるユキさん。いや、もう最高ですよ。メールに気付かないとか、またその理由も、なんて切ないのだろう。でも、プライドと寂しさの狭間に揺れるユキさんの一挙手一投足、それが可愛いなあ。ほんと、ユキさん大好きです。で、バーゲンの風景。皆それぞれに抱いた熱意。シャツが全滅してたり、楽を追求してたり、もう、この極端さが素晴しい。でも最高度におかしいのは、家事マニアだと思う。手がかかるほど嬉しいって、ほんと、いい夫婦関係だなあと思わされるというものですよ。そして鼻血が出そう
。誤解されてしまったわけですけど、その誤解がとけないっていうのは面白く、そして冒頭の風景に戻るっていうんですね。いや、もう、ユキさんは最高だと思います。
『放課後エア部』、この漫画、すごく気にいっています。アイドルに恋する女の子。こだまの叶わぬ夢と、ちょっと失敬な発言。はまあいいとして、ひかりの意外な趣味とか、そしてのぞみのクールなのかなんのかわからない、不思議ポジション。この、皆がそれぞれに歩調あわせず、自分の好きをいいあって、それで成立しそうに思わせて、って思わないよね、誰も。その、わかってる状況をあえて無視して、まずはのってみるっていう、そうした落ち、すごくよかったです。
『強風記』、いよいよ味わい深くなってきています。白鳥が死んだがために、烏山は彼の存在に付き纏われることになってしまって、ほんと、それからの様子、大変素晴しい。一度やってみたかった宿に逗留っての、そのためにせっかく温泉地にまでいってるのに、忘れたいと思うほどに思い出される白鳥のこと。ああ、この男にとって、白鳥は目の上のたんこぶで、それはつまり、意識しないではおられん、そんな存在だったっていうことで、しかしその男が死んでしまったことで、永遠に見返せなくなってしまって、ああ、これはある種の悲劇であるのかもなあ。なんのかんのいいつつも、烏山は白鳥のこと、気にかけてたんじゃないか、一種のファンであったといってもいいのではないか。そんな様子が感じられて、けれどそれをこの男が認めることはないのだろうな。鬱屈した精神に出口はまったく用意されていないという、その様が実によいと思います。
- 『まんがタイムスペシャル』第20巻第8号(2011年8月号)
引用
- 渡辺志保梨「だんつま」,『まんがタイムスペシャル』第20巻第8号(2011年8月号),124頁。
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