『まんがホーム』2011年7月号、発売されました。表紙は、夏の涼なのかな。メインには『らいか・デイズ』らいかがアイスキャンディーをふたつ割りにして、ひとつをこちらに差し出している絵です。かたわらには、着物の背を緩めて扇子であおいでいる椿さん、髪をポニーテールにまとめソフトクリームを食べている外村さん、そして、暑さにうだっている『夫婦な生活』みえこさん。その隣には『リフォーム!』赤城さんがいて、今月はこの2タイトルがコラボする特別編であります。
『椿さん』がなんだか盛り沢山ですよ。前半は単発のネタを連ねてみせて、そして後半はちょっとしたシリーズもの。草野邸の秘密。あたかも忍者屋敷であるのですが、仕掛けの数々を活用して、尋常でない立ち回りを披露する椿さんが、もうめちゃくちゃ面白いです。で、この忍者屋敷ネタが、冒頭の稔の悩み、そこに繋ってくるんですね。この展開は見事でした。
『おしのびっつ!』、今回はしのぶ、くないの忍び設定がびしばし生きていて面白かったです。学校周辺に出るという不審者の話題。それに、自分じゃないと抗弁するくないがすごいな。今回は、くないの変質者なら宣言あり、しのぶと先輩の公認カップル認定発覚があり、そして女装癖あり、見どころたくさんで、えらいこと楽しかったです。しかし、それにしても、ふたりのお母さん。この人は素晴しい。まったく動じない、その上、容赦がないっていうのが素敵です。
『ミライカナイ』、終わってしまいました。フェイが未来に帰ってしまう。フェイ個人の都合ではなく、時間を越えるゲートに不具合が出た。帰らなければならない。というんですね。まだ帰りたくないというフェイに、このまま今で暮らせばいいというヒロシ。フェイを引き止める本心をしっかりと言葉にして伝える、その場面はよかったなって思って、そして時計のエピソード。ベタなのだとは思うのですよ。ラストなんかは特にそう思わせられるところ大きくて、けれど、それでも、この感触は好きだったりするんですね。ちょっと甘いお話。ああ、終わってしまうのは残念です。
そして、『あなたなんか大嫌い』、こちらも最終回。ああ、ここしばらくの『ホーム』に感じられた雰囲気、それががらりと変わるかも知れない、そう思わされますね。幼なじみの男の子ちきりに、ももがいかに好きといわないか。そういう話だったように思います。ちょっといじわるっぽいちきり。気になるんだけど、その気持ちを素直に口にしていいのかどうなのか。迷ったすえに、いつも決まって大嫌いといってしまうもも。ふたりの関係はちょっとこそばゆくて、面白くって、好きだったんですよね。でも終わってしまう。残念ですが、しかたないのかなあ。
『天子様が来る!』の「見てみたい」。ああ、リコーダーは絵面よくないのか……。でも、フルートの見栄えのよさっていうのはわかります。アシンメトリーなのがいいんでしょうかね。でも、オカリナはわりといけそうよ? 「もどった」のシンプルな面白さ。こうしたところなど、作者の面目躍如であると思います。で、最後の彼女。あれはいいですね。サバイバル力に期待できるところもナイスです。
- 『まんがホーム』第25巻第7号(2011年7月号)
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