2011年6月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年8月号

『まんがタイムオリジナル』2011年8月号、発売されました。表紙、メインは『ラディカル・ホスピタル』から山下さん。驚きの表情。なんと、しっとり色っぽいお姉さんですよ。浴衣、手には金魚の柄のうちわを持って、一方の手を耳の後ろ、髪をそっとなおす、その仕草が魅力的。これは、まさに山下ナースの新境地、そう思わせるなにかがありますね。他には『よゆう酌々』の女将さん。『満開!Sister』のふたり、そして『らいか・デイズ』らいか。皆それぞれに浴衣を着て、そのどれもが違って魅力的。あ、そうそう。右下には水たらいに足つっこんですいか食べてる榊医師と、どこかで見たような猫のカットもございます。

『よゆう酌々』、面白いですね。戸田さんが引き抜かれる。いなくなってしまうかも知れない。そんな状況にいろいろを思って、けれど決して言葉に出さない、いや出せないのか、女将の煩悶する様子。ちょこちょこ話を振ってみたりして、様子をうかがったりして、ちゃらんぽらんな人だけど、決していい加減ってわけでもないのな。意外といったら失礼だけど、ちょっと意外でした。で、戸田さんの置かれた状況っていうのも。この漫画の面白いのは、こういう人の思惑が、こそっと気の利いた描かれかたする、そこだなって思わされるできでした。

『ゲンセンカラン』、ゲスト3回目です。元気な新人仲居からんのどたばた仕事もの。元気でダイナミック、ちょっと無茶なからんの活躍というか、やりすぎというか、そうした仕事ぶりも面白いんですけど、この彼女が他の仲居と一緒に働く、その様子がすごくよかったんですね。他の仲居、それは空手黒帯美人代表の綾さんだけじゃなくって、名前のわからないお姉さん仲居たちもそう。あの、からんのこと怒ったり、けど仲が悪いわけでもなかったり、このべたべたもせず、けどわきあいあいと打ち解けて、こういう感じがすごく気にいっていたのですよ。でも、『ゲンセンカラン』はこれで終わりみたい。次回から新作ということですが、ああー、それは残念。けど、その新作、期待しないではおられませんね。

『球場のシンデレラ』、やっぱこれ面白いですよ。最終回。もしかしたらこれで女子野球リーグがなくなっちゃうかも、そんな危機的状況で、いつにもなく頑張る選手たち、っていうんですが、やっぱりあちこちで肩の力抜けてるというか、肩からがっかりというか、そういう状況ちらほら描かれて、いや、もう面白いんですね。ネタはコンパクトに、しかししっかり当ててくる。繰り返しで見せる、そんなやり方も見事で、やっぱりこの人は漫画巧者だなと思わせられるのですね。単行本は出るらしい。それは嬉しい。ほんと、長く読めたら、また違ったものが楽しめたろう。そう思うのですが、これくらいコンパクトで、しっかり面白いと思える、そういうのもいいのかも知れません。

『ハコぺけ』、いよいよ面白いですよ。いつもの4人で、友人の劇団の公演を見にいくっていう話。わあ、私服、可愛いな。っていうのはいいとして、いえね、以前知人が所属している劇団の公演見にいったこと思い出しましたよ。いや、ほんとにこんな感じなの。怪しい階段とか、確かにこんな感じなの。で、ちょっと狭めの箱、あれもそんな感じなの。いいわ、なんか、身にひしひしとらしさがせまってくる感じ。チラシを見ている睦を、後方から見下ろす構図など、こういうのもらしさに貢献してると思うのですが、地味にいろいろ、細部とか凝ってますよね。いや、しかし面白かった。演劇のらしさというのもそうだけど、どこまで真面目でどこまで冗談なのかわからない団員たち。てんこさんのつっこみ。そういうのも好きなんですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第8号(2011年8月号)

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