『まんがタイムスペシャル』2011年8月号、発売されました。表紙は、おおう、これ素晴しいですね。『恋愛ラボ』。リコとマキの表紙なのですが、浴衣、リコはリンゴあめ、マキはうちわを持っていて、どきっとするよ夏
。ええ、まさにどきっとさせられる、そんな魅力に満ちた表紙であると思わされます。しかし、ほんと、『スペシャル』は異色の表紙になりました。けど、この特別な感じはいいですね。ええと、それと、今月は『じょしもん』がゲストで掲載です。
『パンむすめ』、これはいいですね。カレーパンを試作しようという、その現場に踏み込んだ山本少年。なるほど、カレーとパンのバリエーション、そいつをいろいろ語っちゃおうという話なのか、そう思ったら、おお、このラストは素晴しい。優等生の少年の、本当にやりたいこと。それにぱっと光があたった、そんな話なんですけど、その少年の自分でもそうと意識していなかった気持ちが明らかになる。その流れ、その様子が大変よかった。あの、ずるずるとへたり込みながら自分の意思をはっきりと表明する。あの描写にいたっては、素晴しいの一言です。
『スーパーメイドちるみさん』もよかった。紅林のお嬢様。なにをするにしても思い付き、って感じで、料理を学びたいっていう。その理由は酷いけど、ほんと、この人は大樹にさえモテればいいんだから、だったらメイドじゃなくてナースだよな。で、わがまま気まぐれクッキング。どうしようもねえなあ、と思うんですが、こうしたところを露にするの、それだけちゆりのこと、身近に思ってるんでしょうね。で、バッドタイミング、…何で…よりによってケーキなのか…
。これからの麗子の気持ち、表情の描かれかた、それが本当に見事で、ああ、ほんと素晴しかった。で、大樹なんですが、なんのかんのいってもいい奴だよなあ。実にそう思わされます。これでどうしてモテないの? というのはいいとして、このふたりの関係、どうにも好きなんですよね。
『シュガービーチ』は扉に女王様化した湊があって、部長? なんと、湊が部長を追い落としてしまうのか? そう思ったら、なんと切ない話でしょう。外部から見たビーチバレー部、そこには湊の存在が悲しいほどに意識されておらず、というか、人数にさえ入っていない。それで、個性を出そうっていうんですけど、あの変わり水着の数々、あれは湊当人の発案じゃないのんか。こういう、自分はやりたくないけど、人にやらすのならまあいいか、みたいなのね、そういう意識が透けて見えるのが面白いんですね。でもって湊のイメチェン。いや、私は好きだよ。私はすごくいいと思った。けど地味なのか。で、エミの妄想。これ、いいよ。そういえばこの人は以前からこうでした。ええ、そうでしたよね。
『シュガービーチ』は8月に単行本が発売されるそうですね。それで、また、彼女らのこれまで、それを見返せるというの、すごく楽しみですよ。ええ、それで今回の湊の顛末。ああ、切ない! けど、これが実に『シュガービーチ』らしいと思います。
『少女カフェ』、前回の話を受けてお出かけですね。双子とお父さん、そして常連の皆、葉月さん、宮嶋さん、みのりちゃんです。遊園地にいって、いきなり離脱の葉月さん。で、次いでお父さんが離脱。ああ、そうだろうなあ。やっぱりそろそろきついですよね。思えば私も子供のころ、遊園地で父をこうして隠居させていました。ええ、なにか懐かしく思い出させるものがありましたよ。今回は、みのりちゃんとお父さんのデート、そう思わせて、実はやっぱり葉月さんとの話がメインだったように感じて、いえ、ふたりの仲が進展したりとか、そういうわけではないんですけどね。でも、葉月さんの感傷。そしてやっぱり大人であるお父さん。ふたりの会話はなにかしみじみと思わせるものがありますね。そしてつくしのいう、お父さんの気持ちについて、揺らぎなく信じている、そんな様子。これはすごくいい笑顔で、いいお嬢さんだなって思うんです。けれど、いつかお父さんにとっての重荷になったりするのかな。お母さんのことを思いながら、他に愛を向ける、そうしたこと、許す許さない、そんな展開もあるのかな、なんて思ってしまいます。
- 『まんがタイムスペシャル』第20巻第8号(2011年8月号)
引用
- 『まんがタイムスペシャル』第20巻第8号(2011年8月号),表紙。
- 師走冬子「スーパーメイドちるみさん,同前,24頁。
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