2011年6月3日金曜日

secret base — 君がくれたもの

 『secret base — 君がくれたもの』は、ZONEの大ヒット曲。ある程度年齢のいった人なら、まず知らない人はいないんじゃないの? そう思うほどにあちこちで聞かれた歌でした。実際ZONEについてほとんどなにも知らない私でも、この歌は知っていた。そして、好きだったんです。なんといったらいいか、聴けば胸に切なさが押し寄せて溢れる、そうした情感に満ちた歌。だからでしょう。4月からはじまったアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、エンディングテーマにこの歌が流れた時、正直、ずるいと思った。もう、泣けてしかたがない。ええ、ずるいと思ったんです。

 しかし、これ以上はないと思わせる選曲ですよね。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 — 『あの花』は、子供のころに皆で遊んだ秘密基地、そこで起こってしまった出来事を忘れることができないまま、高校生になった今にもひきずってしまっている。そんな少年少女の物語。切なく悲しい思い出、あの頃に気持ちを残してきてしまった彼ら彼女らの回復や再生の物語になるのだろう。そうした予感をさせるのですが、いやまだ物語は半ばです。この先どうなるかは今もってわからず、それゆえに先が気になる、そんなアニメであるのですね。

『あの花』の第1話を見たときは、正直、かなり辛かった。つらかったり、悲しかったりする展開を、素直に受け入れることができない、そうした精神状態もあったのでしょうね。こういう痛ましいの、やめてよ、ほんと勘弁してくださいよ、そう思うところもあったところへ、エンディングの『secret base』。これはたまらなかった。ほんと、やめてよ — 。けれど、私はきっとこの歌のシングルを買うだろう。そう思った。そして、こうして手にして、聴いて、改めていい歌だなって思って、けれど聴くたびに切ないよね。ええ、けれど、ただ切なさだけではない、そうした気もするのですね。だからこそか、この選曲は見事であるな、そう思わないではおられないのですね。

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