『まんがタイムスペシャル』2011年6月号、先日の続きです。
『早乙女寮別館ものがたり』は、ちかの過去の話でしたね。イギリス人のお家でメイドをやっていた。もともとは台所の下働きだったのが、奥様の気紛れといいますか、奥様付きのメイドに昇格して、けどそれで仕合せというわけではないというのが切ないですよね。可愛がられるのはいいこと。けれどやっかみがある、仕事をしようにもそれがかなわない。ああ、自分のなしたいと思うこと、それが阻まれるつらさはわかる。この漫画は、なんだか不思議な寮の不思議な住民たち。ちょっと浮世ばなれして、みたいに思うけれど、大家は大家で資金ぐりに苦労して、そして皆なにか思ったり迷ったり大変だったりした過去があったりして、見た目ほどお気楽でもないっていうところ、それが面白みを深めていると感じます。
『放課後のピアニスト』は、なんと眼鏡のレミさん。これは魅力的! と思ったら、なるほど勉強せんといかんってことですか。おそろしく酷い点数。それこそ進級が危ぶまれるレベルですね。けど、レミさん、アホの子ってわけじゃない。リストの『タランテラ』、そっくり覚えて弾けるっていうんですね。なのに漢字は覚えられない。典型的な、好きなことだったらいくらでも頑張れる、能力だって発揮させるっていうタイプなんですね。他人事とは思えません。でも、そうしたレミの覚える工夫、まだまだ点数は低いけれど、好きを苦手に繋げられるというのは面白いと思います。私じゃこれは無理だなあ。
『野菜畑でつかまえて』、面白いですよ。小姫のやりたいこと、それが忍者っていうんですが、面白いなあ。麻の話は、たしかにそうなりそう。そういえば、忍者の生態を説明する本なんか読むと、麻で跳躍の鍛錬したというエピソードには決まって麻を勝手に植えちゃいかんって書かれてましたっけ。子供のころは、その理由、わからなかったなあ、なんてこと思い出しました。「マナー教室」、面白かった。最後にちゃんと制裁が加えられてるのが驚き。そしてふとんで隠れ身とかも。でもって、姉の妹に対する黒い思い。あれはよかった。なんといいますか、健気な女心、でいいのかな? 可愛いですよね。
『セーラー服でもあいしてね』、これは本当にいいですよ。佐々実さん、ちょっと太っちゃったみたい。いろいろ食べすぎた。で、そのことを初さんに相談? する時の様子が可愛くて、いや、もう、なんて素敵なの。そんなわけで、佐々実さん、厳さんの前でちょっと気後れしちゃいまして、いつもとは違う様子に厳さんが心配しちゃうっていうのね。なかなか不器用な厳さん、けど佐々実もなかなかに不器用だなって思って、このふたり、現れ方こそ違うけど、実は似てるのかもななんて思いました。
- 『まんがタイムスペシャル』第20巻第6号(2011年6月号)
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