世の中にはいろんなアイデアがあって、またそれを実現する技術というのも存在するのだなあと感心させられるものがあります。それはなにかといいますと、カポです、カポ。しかし、これがただのカポじゃない。世界最大の楽器ショー、NAMN Show 2010で発表されたMorpheus社の、その名もCAPOというエフェクターであります。なんと、エフェクターの力でカポと同様の効果を実現してしまうという代物です。いやあ、すごい。確かにオクターバーとかあるんだから、やろうと思えばできるよね。っていうか、BOSSのPS-5、スーパーシフターあたりも同じようなエフェクターなのかな? けれど、ピッチシフターをカポとして表現してしまうアイデアはなかなかであるなと思わされたのでした。
(画像はMorpheus DropTune DT1)
Morpheusはもともと、DropTune DT1というチューニングをダウンさせるエフェクターも出していたっていうのですね。これ、普通にダウンチューニングしたら弦がべろんべろんになってしまうという弱点を克服するナイスアイデアです。3音半下げられるというから、AECGDAになるのか。とにかく低音が欲しいという人には魅力的なエフェクターです。
で、CAPOはその逆であるというのですね。3音半上げる。つまり7カポまで実現できる。けど、これにはメリットとデメリットがあります。メリットは、演奏中に簡単にカポの変更ができる、移調が容易になるところがひとつ。もうひとつは、どうしてもカポをつけるとチューニングに影響するのだけれど、これだと大丈夫といったところでしょうか。で、デメリットはというと、カポをつけるということはハイポジションで弾くということ、つまりフレットの間隔が狭くなります。そのおかげで、通常なら押さえられないようなフォームも可能になったりするわけですが、これだと常にカポなしの状態をキープするわけですから、当然フォームやストレッチの優位は得られません。当然、せせこましく狭いフレットで弾くのが嫌だっていう人もいるでしょうから、一概にデメリットとはならないでしょうけど、私にはこれちょっと困ります。いやね、カポつけてはじめて弾けるようになる、そんなのがあったりするものですから。
と、ここまで書いておいてなんだけれど、Morpheus CAPOは当然エフェクターなので、ギターとアンプの間に挟んで使うものです。ということは、私がメインで弾いているギター、ピックアップなんてついていないフラットトップギターでは使えないわけで、ああ残念、こんなにも面白そうなのに! 意外やこれが一番の弱点かも知れんなあ。といったわけで、私は普通のカポ、今のところはG7thで決まりですね、を使い続けることとなるのでした。
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