2010年2月5日金曜日

『まんがタウン』2010年3月号

『まんがタウン』2010年3月号、発売です。表紙にはありがとうとあって、ええ、臼井儀人氏の手になる『クレヨンしんちゃん』の原稿、今月号に掲載のもので最後であるというのですね。思えば突然のできごとでした。事件のあとも、こうして毎月読んできて、だからまるで全部が嘘みたいに感じてきたのですが、けれどついに最終回を迎えました。私は、特に『クレヨンしんちゃん』のファンというわけではありませんでした。けれどこうして毎月読んでいれば、情も移ろうというもの。ましてや、こんな終わりかたなど望んではいませんでした。ただただ残念です。もう、言葉もなにも届かないけれど、それでもお疲れさまと、ありがとうございましたといおう。それだけでもう精一杯です。

『くるりのこと。』、よくいえばマイペース、悪くいえばちょっと落ち着きのない、そんなくるりが可愛いです。こんな子、いますよね。素直で頑張り屋なんだけれど、ちょっと独特の世界を見て生きているような子。もしかしたら私もそんなだったのかも知れないけれど、有名どころでは黒柳徹子さんなんかがそんなだったっていいます。世界に対して、ただただ素直に向きあっている、そんな姿勢には教えられることも多いように思います。だから、くるりのこと、いろいろにくすっと笑うこともあるけれど、それだけではない、自分をがんじがらめにしている思い込みから自由になれるような感覚を思い出させてくれるなって。だから、好き。静かに、静かに、好きという気持ちがわいてきます。

『かしこみっく』、ちょっと絵が整理されてなくて、わかりにくいと感じたところがあって、そういうのはちょっともったいないと思いました。「ボロ儲け」なんかがそんな感じで、最後のコマ、落ちがですね、ぱっと見てすぐにわからなかったんです。勘が悪いっていわれたら、申し訳ないそのとおりというしかないんですが、あの今年度売り上げっての、あのおっさんの今後のこと? なんて思ってしまったんですね。変な読み方してしまって、それでちょっと立ち止まってしまった。この漫画は勢いのよさに味があると思うから、勢いをそいでしまえば自然魅力もおちてしまいます。残念な読み方をしてしまったんですね。

勢いというと、「エコカー」なんかがそうで、意味わからん、いや、わかるんだけど、そのナンセンスと感じさせるところ、なんだか妙なおかしみがあって、こういうのがこの人の持ち味なのでしょうね。有無をいわせない、そんな押しの強さがある。苦手な人もありそうだけど、好きな人にはたまらん、そんな漫画かと思います。

『蝶のように花のように!』、新連載です。なんだか見たことがある、って思ったんですが、気のせいかな。女性にもてる女性の話。百合でヅカとかアオリにはあるけれど、あんまりヅカって感じはしません。なんだか恋愛観の歪んだ人たちがたくさん出てくる。そんな中、普通一般といった感じの西野彩香が取り残されている。けれどよりによってその彩香が、ヒロイン神田一希に狙われちゃってるっぽいっていう、この関係は面白いです。一希押す、彩香引く。徹底的に引く、この漫画は、彩香の困ってしまってるってところ、それが肝であるなっていう印象。こういうの、嫌いではないです。

『よせ☆あげ』、最終回です。怖れたとおりですね。前回触れられた会議、その結果が出て、それは残念なものであったけれど、ほのかが成長するきっかけがあって、そして2年がたって、少しずつ成長してるんだって描かれて、それは中抜きの駆け足だったのだけれど、そして典型的な終わり方でもあったのだけれど、この漫画のもともとにある流れからすれば、こういう終わり方になるのも納得です。ひとつでも、少しでも、誰かに認められたことがきっかけになって、前に進む力が生まれる。そうしたことの描かれた最終回でありました。

それはいいんだけど、2年後の瑠璃華社長は? 残念、残念です。

『みねちゃんぷるー』、驚きました。前回登場した男の子。彼が峰の恋の相手になると思っていたんですよ。ところが、ところが、そうじゃなかったのかあ。田上くん。中学の2年生。しっかりしてる、それでいいやつ。で、ちょっとシャイ? なんだ、どうしたんだ、片思いなのかボーイ? と思ったら、それどころじゃない展開、おおう許婚とな! それも雅の許婚とな!

これは、以前先生の恋に片をつけたように、ひとつずつ、カップルをつくっていくってことなのでしょうか。つまり、今は雅の順番? こうやって、カップルを成立させていった先、最後の最後に峰の番がくるのかな。いや、全然わかんないんだけど、けどそういうカップルを次々成立させていく話ってのも面白そうだなって思います。

  • 『まんがタウン』第11巻第4号(2010年3月号)

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