2010年2月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2010年4月号が発売です。表紙には『少女素数』。背景は春めいたとでもいいましょうか、華やかなピンク。そこに魅力的な双子が! あんず金髪はわかりやすいけど、すみれ碧眼は普通に見えてしまって、深い青色。普通のおとなしそうな女の子に見えてしまって、ええ、実は私、碧眼設定を自力で気付けなかったのでした。しかし、コート、マフラー。春といえどもまだ寒い、そんな季節にあたたかみ感じさせてくれるイラストであります。

そして巻頭カラーで『少女素数』。女子が集まってパジャマパーティー。しかし、チョコレート菓子やボードゲーム、もとのものを彷彿とさせながら、ちょっとずつ違ってるってところ、面白い。そして、パジャマパーティー。女の子たちのかしましい夜の様子。ゲームして、わいわいと騒いでるかと思えば、将来のこと話したり、そうしたところに彼女らの個性が見えてくるのがよいですね。しかし、すみれ人気を知ったあんずの様子、これはいい。そしてすみれの苦手としてること。この回は、後から振り返った時に、結構な意味ある回になったりするのかな、なんて思わされたりしたのでした。そして、ぱっクン。あの意味深な台詞からあの落ち、シンプルで、けれど前からの状況引き継いで、効果的、面白かった。で、どうでもいいのだけど、挨拶するぱっクン。あのニュートラルな感じ。なんか可愛くてよいなあ。素朴でいい少年だと思います。

S線上のテナ』、前回の盛り上がりが収束するのかな。しかもハッピーエンドだ。そう思って、よかった、安心していたら、わお、まさかこんな展開がくるだなんて。やられました。一瞬の落着の後に、再びクライマックスに向かう盛り上がりが用意されて、しかもかなりの急勾配。まだまだ休ませてはくれないという様子。これは本当にやられました。ひきつけられっぱなしです。

『トランジスタティーセット — 電気街路図』、めちゃくちゃ面白かったです。オーディオの話なんですけれど、マニアックな店主の語る真空管アンプへの愛。昔の機器が持つ暖かみ、味をおやじが語ったところへ、すずがぴしゃっとクールな突っ込みをいれてしまう。こういう論争めいたの、戯画的にうまく表現して、しかもそれでオーディオファンを馬鹿にするようなところがないというバランス。いやむしろ、オーディオファンはあのおっさんに共感を覚えるんじゃないでしょうか。大変素晴しい。そうか、家まで建てかえたかあ。やるなあ。周囲から理解されにくい趣味に、理解を示してくれる人がいる。それも、こんなに可愛い娘さんとあれば、舞い上がってしまうのもしかたない。ほんと、気持ちはよくわかる。それだけにいっそう面白いと感じられたのかも知れませんね。

『異国少女とすみれの花束』、新連載です。主人公真崎亮が訪れた曾祖父の家。その庭にあった井戸、それは異世界? 過去のロンドン? に繋がっていた。それは曾祖父の経験した過去の世界なのでしょうか。状況もよくわからないままに、留学生のマサキとして迎えられる亮。物語はまだまだプロローグ。どうなるのかはまだわかりません。

『夢喰いメリー』、夢路が実にいいです。主人公らしいとでもいったらいいのでしょうか。敵を前にして、これまでは逃げるのが精一杯だった。なのに、圧倒的な力の差がある相手にひるまない。前へ歩を進める彼の勇気が光っていました。そして逆転の可能性が示される。これは期待しちゃうでしょう。ええ、期待しないではおられませんよ。

『わたしたちは皆おっぱい』、こちらも実によいです。これまでは序盤に過ぎなかった、状況を用意する、そんな回であったのだよと思わせてくれる回でした。役者が揃って、そしてヒロインがヒロインとして話を動かしていく。これまでは、嫌われるんじゃないかと、自分のことで精一杯だった貴子が友達のために動く。その気持ちの強さ、まっすぐに放たれる思いにはちょっとじんとさせられました。そして、ちゃんと追い込まれるっていうね。おお、ピンチだよ。そのピンチをどう克服するのかは次回に期待しろと。ええ、期待するしかないです。というか、ほっといても期待は膨らむ一方です。

純真ミラクル100%』。これまでの、結構どろどろとして陰鬱な雰囲気ただよわせた恋愛がらみの状況、仕掛けられた罠にはまるのかどうなのか、そんな剣呑さがすっと消えた回。緊張がゆるんで、ほっと安心できる。これまでの引っ張りがあったからこそといっていいものでしょうか。この弛緩はすごく効果的に働いて、かたく強張りつつあった、そんな気持ちに一気にあたたかなものが流れ込んできたと感じさせられました。いや、しかし、二宮さん、よいなあ。もう大好き。なんて可愛い人なんでしょう。

『となりの柏木さん』。ヒロイン琴子と清香の友情確認の様子、であるのだけど、素直に嫉妬してるよ、ヤキモチ焼いてるよといってしまう清香はすごくよいです。琴子にとっての清香、清香にとっての琴子、ふたりが前提としている状況が見えてきました。ところで、今回のラスト周辺の状況、これは清香におけるドラマの芽生え? ちょっと覚えておきたい、そんなやりとりでありました。

据次タカシの憂鬱』、相変わらず面白い。あの、こっそりとサプライズを用意してるっていうの、そいつは確かにあからさまであったのですけど、店長の用意したサプライズ、こちらはまったくの予想外。そして、裏目。計画の失敗が明らかになったコマの面白さ。しかし、これ、そこまでのタカシのネガティブなモーションあっての面白さだと思う。舞い上がり急降下するタカシのテンション。いいわ、この人、いいわ、素晴しいわ。で、最後の四コマ。自己嫌悪する彼、その反省のしかたはラディカルすぎる気もするけど、でもその様子に人のよさというもの感じさせて、ああいい奴じゃん! ほんと、隠し芸が無駄にならなかったのもよかったです。

『オニナギ』、終了です。惜しかったなあ。ちょっと、これ以外に言葉が見付からない。休載から明けたところ、状況の説明はあったものの、本編はまさにバトルの連続。一度冷えてしまっていた、そんな状況ではちょっとのり切れなかったと感じています。いろいろ考えていたものはあった。それがよくわかる最終回でした。惜しかった、そう思わされること、なんか多いなあ。惜しかったです。

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