2010年2月14日日曜日

L16

 L16』が最終回を迎え、この2巻で完結と相成りました。最終回は『まんがタイムオリジナル』2010年1月号に掲載されて、ついこの間のことですね。さて、最終回の記憶もまだ新しいわけですが、単行本の帯ですよ、帯。感動のフィナーレ!! とか書かれていたものだから、もしからしたらものすごいエピローグが加筆されてるとかあるのか! 色めき立って読んだわけなのですよ。

色めき立ったといっても、別に雑誌で読んだ最終回に不満があるとか、そういうわけではないのですよ。雑誌の最終回、気に入っています。千本兄弟の策にはめられた春香と奈々香。千本兄は完全にお見合い、親への顔見せのつもりでいるのだけれど、姉妹は仕事だと思っている。どうなる!? と思ったら、普通に仕事になっちゃって、結婚なんてまだまだ先よと、今はお姉ちゃんと一緒がいいのという奈々香の素直さに毒気抜かれたというような、そんな最終回でした。ああ、らしいなって思えて、仲のよい姉妹が仲のよいままに終わった。それが嬉しかったのでしたっけね。でも、これは感動というような感情ではありませんでした。安心したというのもちょっと違う。それこそ私も毒気を抜かれた。なんだか幸福をほのぼのと感じている。そんな読後感であったのですね。

だから、感動という帯の言葉に反応を示したのでした。けど、結論からいいますと、最終回は雑誌のそれと同様で、エピローグもあったのだけど、それも感動よりも、面白さが強かったです。千本兄弟におけるその後。弟はお兄さん大好きと思われるのは嫌らしい。そして兄。ものすごく前向き、ポジティブな考え方する人ですね。本編では、妄想の飛躍が少々はげしい人みたいな印象もありましたけど、実際のところは、どんなものに対しても好意的に解釈する人であるってことみたいですね。そのために、周囲からは、弟含め、ちょっと変な人と思われてしまうんでしょうね。

カバーをはずした、表紙にも漫画はありまして、表には違いのわかる女、ユキのロリ服についての話があって、ああ、私はクラシカルが好きかも知れん。次が甘ロリだな。でも違いはよくわかりません。裏には違いがわかるらしい男、千本兄のネクタイについての話があって、それにしても弟の冷たいこと。このあたりのテイスト、ああネクタイのじゃなくってね、漫画の味ですね、こういうの大好きで、私が東屋めめの漫画がいいなと思うのは、こういう時なんじゃないかって思える、そんなカバー下でした。

  • 東屋めめ『L16』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 東屋めめ『L16』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2010年。

引用

  • 東屋めめ『L16』第2巻 (東京:芳文社,2010年),帯。

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