『月刊アフタヌーン』2010年4月号、買いました。表紙は『シドニアの騎士』。なんか独特のローテンションが変に心地いいロボットもので、なんだか毎号、楽しみに読んでいたりする漫画であります。ローテンションなんていいましたけど、それは盛り上がらないってことではなくて、ストーリーは結構ハード。主人公と仲のよかった同僚パイロットが正体不明の敵にとらわれたりと、そんなスリリングな状況にやっぱりなんだか次号を楽しみにしてしまう。ええ、なかなかに面白い漫画です。
『BUTTER!!!』、社交ダンス漫画でありますが、うざいうざいといっていた少年。いつかこいつが変わるのだろうと、そんなこといってましたけど、はやい! もう変わりはじめましたよ。ヒロイン夏が引っぱる。アップテンポ、大きなステップ、溌剌とした夏の表情に引き込まれるように、端場敬弘の気持ちが開いていく。これはいいよ。もう、ざまあ見ろだよ。これはなかなかの爽快感があるな。そう思わせる今回の展開。私もちょっと引き込まれてしまったみたいです。
『百舌谷さん逆上する』、ムーちゃんがいい子すぎる。ほんと、いい子すぎて泣けてきます。でもって、きっと、この子の頑張りは、ちょっと千鶴を困らせる方向に働いたりするのかなあ。というわけで、今回は主に前半後半二部構成といった感じ。その前半は千鶴が友人集めて、いかに百舌谷さんをしあわせにしようかと悪事を目論む、そんな展開なんですが、話はどんどん脱線して、ドラマ的妄想あり、昔話パロディあり。あまりの理不尽に怒る千鶴がかわいすぎる。何なのソレ!? でもって変身ヒロインですよ。このワードに反応して獣耳はやすムーちゃん、素敵すぎ。『マジカル委員長パープルローズ』。もう、本当にあほな展開。けど典型的展開をうまく用いて、これはもう笑わずにはおられない。いや、ほんと、格差社会、切実になんとかしてください。
そして後半。ツンデレを愛でる男達の飲みの様子ですよ。しびれる。なんともいえない痛ましさがたまらんです。特に、あの百舌谷さんに雇われたエージェントでしょうね、彼女が現れたときの描写、住み分けの話ね、ああ、ほんと、わかるわかる。わかるっていう、そのことがなんだか悲しい気もするが、わかってしまうのはしようがないよね。でもってこちらでは竜田兄貴が重要なポジションについているのですが、この人、ずっと大学生だと思ってましたよ。
そして勘違いする男ふたり。動揺する百舌谷さん。うまく次回次回へと、気持ちを繋いでいってくれます。
『友達100人できるかな』がまたも面白い。地球人を試すためにやってきた宇宙人。直行とともにいる道明寺ではなくて、今回は椎名さんと一緒にいるヒカルと友達になろうというチャレンジが面白くて、まったく違う個性、まったく違う文化、感覚。その壁をいかにして越えるかという、試行錯誤と失敗と、そして椎名さんの言葉。この頑なな人が折に見せる娘への愛情。その姿に気持ちが揺れる。そんな私には、ヒカルちゃんに向きあった彼女の姿は深く心に届くほどに鮮烈で、それだけに続くヒカルの答えもまた鮮烈、素晴しいなと思わせられたのでした。しかし、いつもいつもといっていいものか、まわりくどく進むんじゃなくて、真っ直ぐ気持ちを伝えなよとでもいうがごとし展開。その真っ直ぐさが魅力的な漫画であります。
『いもうとデイズ』はお兄さんが素敵で素敵で、もうこの人、すごくいいなと思ってます。この人にとっての、ディアナとともに暮らす意味がはっきりと自覚された、そんな回。これまでも、ディアナを通じて過去の自分と向き合うようなことは描かれていましたが、それをなお強く読むものに訴えて素晴しかった。ディアナと暮らして気持ちを伝えあうことで、お兄さんは穏やかで大きな愛情をもって、ディアナそして自分自身に向き合えるようになっていく。そのお兄さんの表情に、とても暖かで仕合わせな感情を思って、読んでいる私も心がやさしくなっていくようです。
- 『月刊アフタヌーン』第24巻第5号(2010年4月号)
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