2010年1月13日水曜日

『まんがタイムラブリー』2010年2月号

『まんがタイムラブリー』2010年2月号が発売です。2月最大のイベントである節分モチーフの表紙には、『Welcome! つぼみ園』、『ごめんね委員長!』ときて、そして師走冬子のヒロイン3人、大乃元初奈のヒロインふたり、であります。節分といえば豆まき、ですが、最近では恵方巻もポピュラーになりました。表紙にはそれぞれが2対2と勢力拮抗しておりまして、しかし、ひとりで両方をカバーしていることみ先生はなかなかのものです。そしてうさぎ先生は鬼をやっている。なぜ鬼。ヒロインなのに鬼。なんともいえない存在感であります。

『視界良好』。なんか成田小松の関係が進んだ? と見せて、ちっともそんなことのないという、いっそ清々しい状況が成立しています。あくまでも成田にとっては眼鏡だけが重要で、そして小松においても眼鏡が主眼になりつつある? ナンセンスなんだけど、それが気にいっています。しかし、種をまく成田。迷惑だな。いや、もう、迷惑だけど、心意気だけは買いたいと思います。

『空に唄えば』、練習場所を探しての校内散策。その末にメンバーをひとり増やすなど、少しずつ世界を広げていくといった感じがよいです。技術に欠けるために合唱部に入れなかったヒロインを中心に、それぞれ違ったバックグラウンドを持った三人が一緒に歌おうという、そういった関係をだんだんに作りあげていくところが、読んでいてなんだかとてもよいと思えてきます。もともとあるものではなく、これからできあがっていくんだっていう、その伸びていく感覚にきっとひかれているのです。

『少女カフェ』、父の切り盛りする喫茶店で働く小さな双子の女の子ふたりのおしゃまでしっかりした様子が可愛い漫画であるのですが、今回はそうしたしっかりした姿よりも、母親との思い出が前面にきましてね、バレンタインデーの特別メニュー、クッキーを軸に娘と母と、そして母と父のかつての関係が語られるという、ちょっと、なんかね、いい話でした。

『ごめんね、委員長!』、今月の二色はきれいでしてよ。さて、今回はあんまり委員長がひどい目にあいません。って、別に委員長を酷い目にあわせる漫画じゃないから、これでいいんですけど。サブをかためる遠藤さんと高梨さん、早都と優里でありますが、友達が恵理咲にとられちゃった? それで委員長が頑張って仲を取り持とうとする。それで委員長が、恵理咲を取り戻そうとしてたんだって勘違いされてしまうところ、別にそんなわけじゃないのに、っていえばいうほど誤解が深まるみたいな状況、ちょっと面白かったです。そして、前回出てきた着ぐるみが再度登場するという。なかなかにわけわからなくて面白かったです。

『放課後のピアニスト』、ゲストです。高校ピアノ部の4人。これはアニメ『けいおん!』ヒットの影響か、それともまだ『のだめカンタービレ』の流れのうちにあるのか、いずれにしても音楽ものです。天才的なうまさを見せつける部長、対照的に楽しいピアノを体現したかのようなヒロイン。いわば天才少年、天才少女ものですね。だから現実的かというとさすがにそれはないといわざるをえないけれど、上手ふたりに普通ふたりなのかな、その普通のふたりがどのように話を広げるか、そちらの方が私には興味があるといったところです。とりあえず部長はまるくなりそうな気がします。これからどうなるか、先が楽しみです。

『ポンテ!』、ガラス職人もの、ゲストです。これはもう私の習性というほかないのだけれど、こうした職業の裏側、こんなんなんですよって教えてくれるような漫画、もう大好き。めちゃくちゃ面白いです。だって、最初のページで吹きガラスの工房ものですよって知らせて、次のページはというとガラス職人の特徴 熱いものも平気ときましたよ。これは、かなりいかします。ガラス工房の仕事、それも職人たちがテーマなんですよといってるようなもんです。で、それが面白い。職人のイメージと、それが壊れる瞬間なんてのも面白い。これはいいです。気にいりました。

『ふたりぐらし』、久しぶりだ! 私、この漫画好きです。いとこのサクとくらすミヤコ。そののんびりとした雰囲気がよいのですね。さて、今回ははやりの肉食女子だとか草食男子とかの話題を取り上げて、しかしここでまさかの相性。これはちょっと面白かった。確かに草食とかいってくくられてるような人は、肉食みたいにいわれるタイプは好かんだろうなって思って、これはシンプルにして確かな指摘でありました。ところで、入浴中の睡眠って気絶みたいなものってほんとですか? ちょっと驚きました。いや、たまに寝ちゃうものでして。

『ほよほよセキュリティー』、ゲストです。どこかで見たことがある、と思ったら『まんがタイムきららMAX』でゲスト掲載された『りくのすてーじ』の人か! 7月号8月号。結構好きだったんだけどな。なんて思っていたものだから、このゲスト登場はちょっと嬉しい。ホームセキュリティーを担うミト、人型のアンドロイド? 見た目可愛く、けれどなかなかに凶悪な装備や執拗な調査能力を有しているなど、こうした表向きと内面がちょっと違うよという設定は悪くないです。こういうの好きなんです。だからちょっと期待したいと思います。続いてくれるといいなと思っています。

先生はお兄ちゃん。』、最終回です。先達ての『まんがタイムジャンボ』では兄貴の恋愛のゆくえに決着がつけられた、ついた? わけですが、今回はそうした状況を踏まえつつ、まゆと蒼井先輩の関係が描かれて、特に進展したわけじゃない。けれど、まゆとともに兄貴も許容する蒼井先輩、気取ったりすましたまゆではなく、その素顔をもうけいれようという様子、それはとてもよかったです。そして、友人Aとしてその名前が明かされることのなかった彼女、ついに名前が出ました。こうして、いろいろと決着がついて、そして最終回。なかなかによかった。ええ、よかった。お疲れさまでした。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第2号(2010年2月号)

引用

  • 七瀬充「ポンテ」,『まんがタイムラブリー』第17巻第2号(2010年2月号),154頁。

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