2010年1月23日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2010年3月号、発売です。今月は『空色スクエア』が表紙であります。ヒロイン深雪が缶コーヒーをこちらに差し出している。そんなイラストにはちょいとドキドキさせられます。というか、私は『空色スクエア』のヒロインは、そりゃもう深雪だろうと思い込んでいたのですが、本編読み進めてみれば、やっぱり文香なのか。もろもろ混乱しながら冬景色の表紙めくれば、舞台は夏。堂々の水着回であります。

S線上のテナ』、素晴しいな。デュオンがオスティナートを連れて逃げた。その説得から事態の収集まで描かれて、しかし緊迫感はたっぷり。そして恭介の言葉。彼のこれまでに思ってきたことが、そのまま言葉に乗せられてデュオン、オスティナートのふたりに届く。これはちょっと感動的だった。恭介、最初は巻き込まれ型主人公だったわけだけれど、今となっては、見事に場を主導する主人公にまで育ってる。彼は結局は普通の人ではなかったわけだけれど、今回の彼の言葉は、その生い立ちが育んだひとりの人としての心情があふれて、力強い。素晴しかったです。

『わたしたちは皆おっぱい』、連載になったですよ。しかも、これまで巨乳巨乳といっていたのが、ここにきて微乳派も取り込もうという策略でしょうか。アホすぎる。変態的すぎる。見事すぎる。いちいち駄目すぎる妄想も見事。そして新登場キャラクターも見事。生卵はさすがに陰湿だけれど、その後の展開、美少女マニアという理由で簡単に転向してしまうという、その身軽さ。で、ヒロインがおっぱいマニアであるという理由で簡単に許してしまうという、その軽快さ。素晴しい。ちょっと感動的。でもって、さすがにヘコんだ貴子が気に入りました。めちゃくちゃ可愛いです。

『となりの柏木さん』は、意外に狭い世界。知らないうちに気になる女の子のイラストSNSのページを見付けてしまった主人公が、それと知らないうちにその女の子に関わっていくという構造が確立したようです。主人公は気付いていない。けれどヒロインは、生身の主人公と会話し、また自分がイラストの主であることを知らずにいる主人公、その両方を知っているという優位な立場にいて、その状況のアンバランスがとてもいいと思います。いい感じに主人公が翻弄されていくといいなって思っています。

『少女素数』はクリスマスを目前とした時期、お兄さんはフィギュアだけじゃなくて、雑貨屋の商品も作ってたりするのか。まめな人だ。でもって、髭そったからなのか、娘ふたりが兄貴のことを意識してるっていうの面白く、そしていつまでもお兄ちゃんお兄ちゃんだけでもないっていうのが、変化を感じさせていいなって思って読みました。それはそうと、街に出た時の描写、ふたりを振り返る男性、女性、こうしたちょっとした表現が、ふたりの美少女度合いを雄弁に保証してます。

『7時間目の音符』、ゲストです。ついに『フォワード』でも音楽漫画が登場です。て、『テナ』も音楽がらみではあるのか。ともあれ、吹奏楽部で送る青春。部の皆の前では付き合ってること隠してる、なんていうほのぼのカップルが主役です。クラリネットですね。リードくわえてるところだけじゃなく、スワブ通してるところなど、作者は経験者か。とはいっても、そんなに吹奏楽であるという特色は出てないんですけどね。しかし、男の子の部活やめようと思った理由、それがなんだかすごく可愛くていいですね。あるいは、そうしたふたりを見守ってる周囲の状況に気付いていないヒロインが面白いのか。いずれにしても、初々しい恋愛の状況。くすぐったくてよかったです。

0 件のコメント: