『まんがタイムスペシャル』2010年3月号が発売です。表紙は『ミッドナイトレストラン7to7』の織作がフィギュアスケートやっているイラスト。もうじき開催の冬季オリンピックがモチーフなんでしょうね。脇には、スケートで転んだちるみさんやスノーボードしている『おすすめ!看板娘あんちょこ』のヒロインふたりがあって、そしてこれはオリンピックとは関係ないのだけれど、『スーパー探偵!』のヒロインのカットも掲載されています。
『スーパー探偵!』、前回に続いてゲストです。スーパーの店員やってるお嬢さん。彼女が、警察官の姉と一緒に探偵の真似事なんかやってみるという話。前回は推理ものみたいになるのかななんて思ったけれど、今回はというとそういう気配はなくて、万引き対策に乗り出すヒロインさくらとその姉かすみ。しかし、全然駄目じゃんかという、そのどたばたぶりを楽しむ、そんな漫画であるようです。しかし今回は冒頭から、全開の店長が素敵です。しかしこの店長は、どんな人に盗まれたいっていうんでしょう。なんか、きゅんきゅんしますね!
『キミ待ち!』、蕎麦屋にやってきた女の子の話。作中にもありますが、あしながおじさん思わせる展開、けれど肝心のおじさんがどんな人かわからない。その人に会いたい、会ってお金をお返ししたい。そうしたお嬢さんが健気で、ちょっと人情ものっぽい雰囲気です。なかなか悪くないなって印象に、これからどうなるか期待してしまいます。
『おんたま娘』、引き続きのゲストです。雪深い温泉旅館の仲居さんふたりをヒロインに、ちょっとどんくさいお嬢さんと、しっかりものの先輩と。しかし、長靴をパックリと壊してしまう、そのスコップ技は只者ではありません。そして、若女将が登場。ちょっと古めの絵柄かも知れないなんて思ったりすることもあるけれど、でも可愛さは充分以上にあって、そこにスラップスティック風味効かせたコメディが展開されるとなれば、読まないわけにはいかないなといった気分になってきます。
『いとしのフェルナンド』、ゲスト登場です。『ラブリー』から移動してくるのでしょうか。ロマンティック、メルヘンティックな展開に、なんだかちょっと切なさや無情を感じさせる展開が一味添えて、この作者はこうした仕合せとその裏にある不幸の綱を引かせる構図が得意ですね。いいことばかりではない。けれど、そんな人生、世界においてもいいことは間違いなくあるっていう、ちょっとほろ苦い甘さ、それがとてもいいと思います。
『早乙女寮別館ものがたり』は、寮母のあきらさんが寮母にして男性。けれど心は女性。最近はトランスセクシュアル、トランスジェンダーも普通に漫画に登場するようになりましたね。けれどそこに偏見のようなものがないのなら、私は大歓迎、結構好きな表現であったりします。そして、お手伝いのちかちゃんが登場。小さな子供? ロップイヤー? 謎の女の子。可愛いのはいいんだど、ブクブクはちょっといやだな……。そして、なんだかトラブルメーカーになりそうなお姉さんが登場して、はたしてどんな活躍がありますことか。
『笑って!外村さん』。誤解されている外村さん。その誤解されてる状況はなおも変わることなく継続して、しかしよく途切れなく誤解のネタが出てくるものだと感心します。シンプルな笑いだけど、新しいネタ、意外な勘違いが用意されることで飽きさせない。むしろ、見るごとによいなと思えてくる漫画です。しかし「服装検査」とかいい感じ。あれ、ファンになっちゃうでしょうよ。それに、絵もうまくなっているというか、可愛さ増してると思います。
『ひとりごと』、『ハモニカ文庫』の山川直人の読み切りです。しかし、この人の版画思わせるような絵柄はいいですね。それに内容も、素朴で、けれど登場人物が生きてるなって思わせるような表情の豊かさが魅力です。知らないうちにひとりごというようになってしまってた。そんな男性が、同じような女性と出会ってという話。その仲介したのがひとりごとという仕組みも面白く、どこか寂しい、人との交流の少なくなった生活を送るうちにひとりごとが出るようになった。そんなひとりごとが縁となって、そしてひとりごとがなくなるという、ちょっと考えさせられるところもある、よい話でありました。ほんと、いい漫画を描かれる方だと思います。
『ココロノミカタ』、先月のココロさんが出なかった回の、もうひとつの側面。前回がミカタさんサイドだとしたら、今回はココロさんサイド。ミカタさんが導いた奇跡、それはココロさんもちょっと関係してたんですよ、っていうような話に、面白いなって、それに華やかでにぎやかで、いいなって思ったんですね。
『瞬け!シャイン』、最終回です。おおう。最終回だけに、最終回らしい話。ゴノレゴ譚にもちょっとした決着があって、そして齢800歳の不老不死OLビクニさんも完結。まさか30年後が見られるとは思いもしませんでした。岩井ちゃんと清水ちゃん、このふたりの仲良かったところ、そのつきあいの長く続いているというところ、ちょっと嬉しくなりました。他のネタも面白く、最終回にしてちっとも衰えなど感じさせない、そんな魅力に惜しいなどと思ってしまうのでした。この人の漫画、好きなんですよね。ほんと、惜しいと思います。
『千秋ツーフェイス』、こちらも最終回。結構好きでした。最後に弟妹が登場して、うわあすごく懐しい。そして父母が初登場。地味だったかも知れない。同一パターンの反復。そのマンネリという面白さが好きでした。しかし、11年描いてらしたんですね。その間、外づら千秋が2度イメージチェンジしたんでしたっけ。そうした変化も楽しみながら、面白く読んでいました。長らくお疲れさまでした。
- 『まんがタイムスペシャル』第19巻第3号(2010年3月号)
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