『逆転裁判2』、思いがけずクリアしてしまいました。思いがけずというのは、話数の勘定を勘違いしていて、今プレイしているのがラストエピソードと思っていなかったからなんですが、いやはや驚きましたよ。思った以上の大ネタで、ラスト直前の軽いものだと思っていたら、想像以上に気持ちを揺さぶられてしまって、おいおい、今でこれじゃラストどうなるんだ、と思っていたら、なんでかエンドクレジットが流れてきた……。なんで? 最近は、ラスト一個前のエピソードでエンディング見せるのがはやりなの? って、そんなわけありません。今、プレイしていたのが正真正銘のラストエピソードだった。それだけの話です。しかし、このラストエピソードは逆転逆転の連続で面白かった。そして、ずっと心のどこかに引っかかっていた要素が最後にものをいう。そこにはまさしく爽快な決着が用意されていて、このゲーム遊ぶ時の醍醐味ったらこれッスよ。
しかし、ええと、ここからネタバレね、古いゲームだから、伏せ字にしないので気をつけてください。
しかし、まさかラストエピソードにおいて依頼者を有罪に追い込まねばならないという流れに入るのは、本当に思い掛けない展開で、なかなかにしびれました。人質にとられた真宵があって、彼女の無事をとって信念を曲げるか、信念に准じて彼女を危険にさらすか、その葛藤の中、審理を進めていく。証言に立つ人間もまたバラエティに富んでいて、もしここでうかつに突っ込んだらバッドエンドが確定? ハラハラしながらのプレイがすごく面白かったです。
これ、途中で真宵を救い出せるのではないかと思わせる誘惑があるのですが、つまり無罪をもぎ取れるチャンスであるわけですが、私はそこに妙な危険さを感じ取って、なんというのでしょう、布陣の際にわざと弱い箇所を設けて敵を誘い込むのは、基本的な戦術でしょう。もちろんそこには罠が仕掛けてある、うかつに踏み込むとズドンとやられてしまう。そういう剣呑さを感じたものだから、それらをすべてパスして、というのは、これはそんなにシビアさを求めるタイプのゲームではないから、正しい振舞いに撤すれば、きっと真宵は帰ってくるに違いない。そう踏んでいたからなんですね。逆に、日和ってしまえば、ひどい目に遭う。そんな気がしていた。結果的にこれで正解でした。
基本的にこのゲームは、無実の罪で逮捕拘留された依頼人の冤罪を晴らすというのが決まりの展開でありますが、そこに有罪の依頼人が加わって、そうしたところは大変よかったと思います。『逆転裁判』の第一作、はじめてプレイした時の感想にて、弁護士の仕事というのは冤罪を晴らすことでなく、それが実際に犯罪を犯したものであっても、裁判においては最善の弁護をするという、そこなんじゃないのか
などといっていましたが、結果的にこの私の思いを晴らしてくれるものとなったと思います。もちろん、私の本来期待していた要素、故意ではなかった、やむにやまれぬ事情があったんだ、など
を訴えるような方向には向きませんでしたが、しかしそれはこのゲームの前提とするシステム、序審法廷制度 — 序審法廷において有罪無罪のみを審理し、本審において量刑を審理する — がそういう風になっていないんだから仕方がない。だから、このゲームのシステムにおいては、あのエピソードが最善であったのでしょう。検察、弁護側がタッグを組むようにして、憎むべき犯罪の真相を明らかにする。勝ち負けとは、無理矢理無罪あるいは有罪をもぎ取ることではなく、真実にたどり着くことなんだというそれは、本当に爽快感をもたらしてくれるものであったと思います。
そして、そこに爽快感を得るのは、それだけ現実の世界において、真実が明らかにならないことのもどかしさを噛みしめているという、そういうことなのだろうと思います。
さてさて、『逆転裁判2』を終えて、次は『逆転裁判3』です。成歩堂龍一編の完結。はたしてそれはどのような展開を見せるのか! 楽しみです。それはもう楽しみなのであります。
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