『らいか・デイズ』買って、『だって愛してる』買って、その上『がんばれ! メメ子ちゃん』まで買って、とくれば当然『はいぱー少女ウッキー!』も買うわけです。ええっ、おまえ、むんこファンか!? といわれれば、いやとりわけファンというほどでもないとは思うのですが、でもまあ嫌いなのに単行本を揃えるわけもありませんから、好きといえば好きなのでしょう。私が特に好きだったのは、『らいか・デイズ』の初期の頃だったと思います。まだらいかがクールだった頃、まれにあったサイレンスでの展開。あれ見て、うまい作家だなあって思って、それからむんこを注目しています。今ではなんだかずいぶんと雰囲気が変わってしまったように思うけれども、それでも楽しく読んでいます。
『はいぱー少女ウッキー!』は双葉社の『まんがタウン』に掲載されている四コマで、私はこの雑誌購読していますから、つまり第一話からきちんと追って読んでいたわけです。最初、印象は悪かったなあ。てのはですね、私はがちゃがちゃした子供が嫌いなんですよ。利かん気で、落ち尽きなくて、乱暴で、そういう子は嫌いなんですよ。まあ、自分がそういう子供だったもんだからねえ。昔を思い出すのかねえ。思い出ってやつはなんだかいやだねえ。
でも、読んでいるうちに馴染んできたかなと思うんです。これは多分、漫画自体がこなれ、子供たち同士の繋がりもできてきたことで、最初のちょっときつく感じられた部分が表立たなくなったことも関係しているのかも知れないと思っています。子供たちには子供たちの関係があって、外に出て走り回ってほたえて、友情というのとはなんか違うな、同士というのもなんか違うな、強敵と書いて友と読むとでもいったらいいのか、繋がりをどんどんと深めていく様子がわかるようで、ああなんかほほ笑ましいやねとそんな気分になれるのは悪くないです。そんなこんなで、子供たちが仲を深めたようにして、私も馴染んでいった、そういう過程があったように思います。
けど、この漫画はヒロイン(とはなんだかいいたくないなあ、むしろヒーロー?)卯月たちの活躍にとどまらないところが多分面白い。お母さんですね。お母さんはどちらかというとおっとり系、おとなしい系でして、卯月には振り回されっぱなし。このお母さんが迷ったり、悩んだりしながら子育てに直面しているというその姿がなんかいいんです。お調子者でいちびりの夫に、時にはあきれたりもするけれど、でも実は信頼していて、甘えてみせたりもしてみたいなのがあるのもほほ笑ましくて、そして手のかかる娘への愛情も。
この漫画の面白さは、関係に生まれていると思います。友達同士の関係、母子父子の関係、姉弟、夫婦、いろんな関係があって、普段はやんちゃして怒られたりしてるけれど、でもその奥にはしっかりとした情の繋がりがある、それが読んでいてわかるのがよいのかと思うんです。全体に昭和の匂いがするような雰囲気があるからか、なんだか自分の子供時分を思い出してしまう、そんな感じもする漫画、決して自分の過去にはなかったことなんだけれど、でも同じような経験、思いはあったような気もする。そんなちょっと思い出まじりみたいな感覚で読める漫画です。
- むんこ『はいぱー少女ウッキー!』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2007年。
- 以下続刊
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