甘く見ていました。聞きしに勝るとはまさしくこのことです。どこにいってもない。なにがないって、Nintendo DSですよ。大阪梅田で四店舗回って全滅。地元最寄り駅はもちろんのこと、途中下車までしたというのに、まるできれいに掃いたみたいに売り切れ。どこにいっても次回入荷は未定です。ああ、もう疲れた。しかしなにが疲れたかというと、ゲームをめぐる状況の変化だと思います。だってね、子供時代を除き私が一番ゲームを遊んでいた時期というのは前世紀末から今世紀初頭にかけての数年であると思うのですが、その頃にはむしろ乱立していたといっていいゲーム専門店が、もうことごとくありません。実際、私の最寄りの駅前にはゲーム専門店が三店舗ほどあって、ちょっと足を伸ばせば後三四店舗ほど見つかったというのに、今はただの一店舗しかありません。梅田にしても、紀伊国屋書店はゲームの取り扱いをとうにやめてるし、ホワイティ(梅田の地下迷宮)にあったゲーム店も、消えてなくなっていました。ええと、先週にはあったと思うんですが……。こういう状況見せつけられると、ゲームが娯楽の花形だった時代は終わったんだなと実感させられます。いや、その割りにはDS、Wiiは馬鹿売れしていて、一体どこで売れてるんだろう。これだけゲーム機が売れるのなら、どうしてあんなにたくさんあったゲーム店は撤退しなければならなかったんだろう。うらぶれた冬の夜、そんなことくさくさ考えながらの道中、いやあ本当、余計に疲れましたよ。
さて、なんでNintendo DS探してるのかというと、ええと、昨日いってたゲーム『世界樹の迷宮』を遊ぶためです。ええーっ、買えたのあのゲーム!? って買えたんですよ。でも、ネット上ではどこの店も売り切れてて、ということは梅田にあった? いや、ありませんでしたよ。きれいさっぱり、ありませんでした。ということは — 、そうオークションですよ。定価より高く買いました。正直あるかないかもわからない状況で歩き回るというのなら、少々高くても確保してしまったほうが気が楽だという判断をしたのです。というか、戯れに入札してみたら落札しちゃったんだ。後悔こそはしてませんが、こうして私は道を踏み外していくのだなと、我ながら自分のあほさに落胆する思いです。
でも、ソフトこそは高値で買ったとしても、ハードは正札で買うつもりで、それに出たところのソフトこそ売りきれてるとしても、ハードならなんとかなるだろうと思ったんですね。まあ、甘かったわけですが。ネットショップ見ると、定価の五割増しくらいで売ってる店がある理由もわかりましたよ。あるかどうかわからんゲーム機探してほっつき歩くこと思えば、金でかたをつけたほうが早くて楽という判断はあっておかしくありません。今回私はそういう決着のつけ方はしないつもりですが、でも金はあって時間のない人、子供にせっつかれているとかの理由でもって、とにかく早く欲しい人、そういう人ならプレミア価格払うよなあ。そうそう、このプレミア価格ですよ。昔ファミコンが全盛だった頃、アメリカ人が日本の状況を見て、あれほど品薄の人気ゲームであるというのに定価より安く買えるというのはすごいと驚いたらしいと聞いたことがあります。そうなんですよ。アメリカでは誰もが欲しがるものはプレミア価格がついて、定価より高くなるのが普通だったんだそうです。けど、昭和の頃とは違い、今の日本ではプレミア価格も珍しくなくなって、ああこれこそ需要と供給のパワーバランスだよなと思ったのでした。つまり、需給バランスの崩れている現状においては供給が強気の値段つけてくると、そういう訳ですね。抱き合わせ販売が関の山だった昭和を思えば、今はずいぶんと時代が違っているのだと感慨も深くなります。
『世界樹の迷宮』の品薄は明らかに初版の少なさに起因していると見るのですが、それに加えて手に入るかどうかわからないという不安から複数注文をする人も多かったと見えて、例えば私の落札したものもそういう類いの重複購入ものであるようです。でも、売れるかどうか不安含みの新作ソフトならともかく、発売から二年、DS Liteからでも一年程度の時間が経ってるDSがこんなというのは正直驚きました。作りすぎて在庫がだぶつくのを怖れてのことだと思いますが(ファミコン時代は、ほら、おそろしく値崩れしたりしたでしょう)、でも消費者としてはもうちょっと出荷を増やして欲しいなあというのが正直なところです。
ソフトは明日届きますが、果たしてハードはいつになることか。ゲーム店に日参しながら、長期戦を決め込もうと思います。
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