MS Accessに関しては私は運がよかったのだと思います。出会いは以前の職場。配備された端末にはMicrosoft OfficeのProfessionalがインストールされていて、ちょうどデータを扱う仕事であったことから、見様見まねでRDBに入門したのでした。しかし、私がそれまで触ってきたデータベースというのはもれなくカード型データベースであったものですから、どうもAccessはピンとこず、そこへ同僚が魔法使いの開発工房を発見。この情報を得て、だから私はAccessの魔法使いニキータさんの弟子なのです。
あの、はじめてAccessをさわりはじめたあの頃は、バージョンも2000。気がつけば二十一世紀。現行のバージョンは2003であります。
RDB、リレーショナル・データベースといえばそのどれもが重量級のサービスで、いくらMySQLやらが軽いといったとしても、ちょっと手軽に使ってみようと思える代物ではありません。ところが、この仕組みとしては結構高度なRDBを手軽に扱える環境がある。それがMS Access。実際、AccessはMS Officeにおける肝であり、まさにキラーアプリケーションといえる存在であります。
ですが、時間がたってですね、その優位も揺らぎはじめてきているといいますか、OpenOffice.orgがバージョン2になって堂々データベースアプリケーションBaseを引っさげてあらわれてきたかと思えば、日本語プログラム言語「なでしこ」がパブリックドメインのSQLアプリケーションSQLiteを同梱するなど、ここ数年、RDBMSをめぐる環境は一変しているといっても過言ではない。選択肢が一挙に広がって、RDB花盛りといった様相を見せていると実感します。個人ユーザに関しても企業ユーザに関しても、RDBの敷居は確実に下がっていると思います。
個人ユーザに関しては、MS AccessとOOo Baseの一騎打ちという感じでよいと思うのですが、このふたつを比べると、やはりAccessには一日の長があるというか、実際MSはいい仕事をしていると思うのです。上位バージョンを使いはじめた時は気付かないんですが、途中で旧バージョンをさわるようなことになると、そのあまりの使いかっての悪さに辟易します。かつて私のゆりかごであったAccess 2000はもう手狭で使いにくいと感じられて、Access 2002に関してもそれはもう同じ。私にとってAccessは2003でとどめを刺しています。それくらい進化している。残念ながら、OOo BaseがAccess 2003の域に食い込むのは後数年を待つ必要があると判断せざるを得ないでしょう。
Accessの優位はなにかというと、その手軽さであることは間違いなく、これはその登場当初から変わりありません。でかいシステムを組むほどではないけれど、Excelやなにかで管理するには荷が重すぎるというようなものは、もうAccessで決まりですよ。私は職場のメールの管理をAccessでやり、人員の管理もAccessでやり、差し引き簿もAccessで作り、そしてやっつけ仕事にもAccessは最適です。
とりあえずデータをCSVで用意した。これをなんとか分析、整理して欲しい。こういう仕事が投げられることがまれにあるのですが、こういうときはなにはなくともAccessにぶち込んで、SQL書きまくります。私の最初の導師がニキータさんだったとすれば、次のステップアップは稚内北星学園短期大学の丸山不二夫氏のおかげでなりました。稚内北星学園短大に公開されている「UNIX データベース入門」を読んで、私はSQLを自分でも書けるようになり、だからこういうのですが、AccessはSQLを書けるようになると、数段使い勝手があがります。
SQL書きまくって、書きまくって、書きまくって、分析、整理して、最初は渾沌としていたデータが徐々に明らかになり、最後には正規化される。この楽しみはちょっと言葉にはしがたいものがありますよ。もちろんうまくいかないことも多いのですが、けれどしっかり使えるデータベースができたときの喜びはなかなか他に換えがたいものがあります。
だから、私はその資質があると思われる人があれば、RDBの使用を勧めます。金持ちだったらMS Access。そうでないなら、OOo Base。そして、これぞという人にはなでしこを勧めます。
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