2006年3月25日土曜日

日本語プログラミング言語「なでしこ」

 私は実はコンピュータを使うとき、ハードウェアにはこだわりがなく、そしてOSについてもそれほどこだわらず、結局最終的なアウトプットさえ整えられればなんでもいいと考えているような人間です。だから、マルチプラットフォームで展開されているアプリケーションは本当にありがたいと思いますし、そしてそれがフリーならなおさら。最近ではOpenOffice.orgとか、かなりいい線いっていると思います。

いい線いっているといえば、日本語プログラミング言語「なでしこ」がかなりのものだと思います。コンピュータをよりよく使うにはなんらかのプログラミング言語に親しんでおいたほうが絶対いいというのが私の持論で、私はそれでPythonに傾倒してしまっているのですが、ところがプログラミング言語というのはやっぱり敷居の高いものなんですね。なにがハードルになるかといえば、可読性の低さでしょうか。Pythonの可読性はかなり高いとはいえ、ベースが英語ですからやはり厳しい。と、そうした状況を打破する可能性を持つ言語が「なでしこ」です。

「なでしこ」の可能性はなんといってもその可読性の高さでしょう。なんでか? その名前がすべてを表していますわね。日本語プログラミング言語「なでしこ」。なんと日本語でプログラムができるのです。言語としてはインタプリタ型だからPerlやRuby、Pythonと同様で、コマンドラインでの利用も可能なら、GUIの利用についても非常によく考えられていて、正直心底まいってしまっています。

詳しくはですね、私のつたない記事を読むよりも「日本語で10行プログラミング」をご覧になったほうが速いと思います。プログラムといえば難解で、山ほど、たくさんコーディングしなくちゃいけなくて、みたいに思っている方もいらっしゃるかと思いますが、それが誤解であるとお気付きになられること請け合い。だって、こんなことを十行プログラムでやってしまえるのか! と本当に目からうろこが落ちます。同じことを他の言語でやろうと思えば何倍もの行数を費やす必要があると思います。

「なでしこ」には気の利いた機能が多いんですよ。GUIはそもそも装備されているし、最近のアップデートではパブリックドメイン(!)のRDBMSであるSQLiteを同梱してしまって、はっきり言ってこれはものすごいことだと思っています。データベースなんてのは扱いに関してはどうしても簡単ではないから、ちょっと導入してみようなんて気にはなりにくいものなのですが、それが「なでしこ」に同梱されていて、スクリプトから利用できる。それもものすごく簡単に! SQLを覚えないといけないから簡単ではないとは思いますが、それでもその労力を上回るメリットがあるかと思います。「なでしこ」は、インストールと設定さえしてやれば、CGIとしても問題なく使えて、つまり掲示板やなにかをRDBつかって実現できる! ああ、素晴らしい! 私の使っているサーバにも「なでしこ」入らないかしら! 本気でそう思うほどに「なでしこ」の可能性はすごいものがあります。

英語圏の子供たちは、PerlやPythonをはじめるとき、私たちが「なでしこ」に感じるような印象をもって取り組むことができるのでしょうね。関数やメソッドなんかにしても、語の意味を知っているからすっと入ってくる、意味を丸暗記することなんてない、これは大きなことであるなと「なでしこ」を見て思いました。

残念ながら、現時点において「なでしこ」はWindows版しかリリースされていないのですが、これはつまりWindowsユーザーは「なでしこ」を使わないと損だということですよ。「なでしこ」の存在ひとつで、日本語ネイティブのWindowsユーザーは大きなアドバンテージを持っているのです。まずなにはなくとも「なでしこ」を導入し、そして「日本語で10行プログラミング」を読んで、こうしたスクリプトを使える便利を知っていただきたいと思います。本当に、使える言語がひとつでもあれば、コンピューティングは様変わりしますから。私は実際、半日以上かかっていたような作業を二分に短縮して、プログラムの使えるという優位を周辺にアピールしてきて、そうなんですよ、なんでもはじめてみればいいのです。

プログラム入門にさいして、「なでしこ」はきっと力になってくれると思います。その後、Perlにいく、Rubyにいく、Pythonにいく、それは自由です。でもまずはハードルの低い「なでしこ」からチャレンジして見られると如何でしょう。コンピュータを使うということの意味が見えてくること間違いありませんから。

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