2006年3月19日日曜日

High Germany

  Amazonから還元ギフト券というのが届いたので、以前からちょっと気になっていた本を購入してみました。それはOne Hundred English Folksongs。タイトルがそのものずばり内容を表していますね。イギリスの民謡本です。届いてみれば、内容は実にしっかりとしたもので、鍵盤楽器による伴奏譜つき。でも、願わくばコードネームが欲しかった。とはいっても、どうせ弾く際には移調したりするに決まってるんだから、コードネームに関してはしかたがないとあきらめましょう。ピアノ譜みながら拾っていこうと思います。

この手の曲集を買ったときには、手始めに目次を読むところからはじめます。いったいどんな曲が入っているのか、自分の知っている曲はあるのか。そうしたら見つかったのはHigh Germany、そしてScarborough FairScarborough Fairに関してはあまり知られていないバージョンです。今はよく知られた方の練習中ですが、それが一段落ついたらこちらにも挑戦しましょう。でも、多分その前にHigh Germany、こちらを歌うことになるのではないかと思います。

私がHigh Germanyを知ったのは、ペンタングルの『ソロモンズ・シール』でなのですが、ジャッキー・マクシーの歌うこの歌がまたよいのですよ。透明度高く美しい声でもってとくとくと歌われて、その歌い回しも実によく耳に残り癖になるようなよさがあります。いい歌だなあと思っていたのですが、内容はというと戦争にいかねばならない男の歌で、なんかすごく不幸な感じ。歌われる情景は違えど、ロシア民謡の『黒いカラス』に匹敵する悲しさがあります。まあ悲しさからいえば『黒いカラス』の方が上かも知れん、だってまさに死のうとするその時の歌なんだから。けれど、戦争を忌避する気持ちには変わりがなく、これらはいつか私のレパートリーにしたい歌だと思っていたのだから、目次に見つけたときは嬉しかったのです。早まって音を拾いはじめなくてよかった! ってなんて横着者なのでしょう。

High Germanyはマーティン・カーシーのアルバムMartin Carthyにも収録されていて、またこれもいい感じなのですよ。地味で質素な様、そして私と同じ男声であるということからしても、こちらはずいぶんと参考になって、拾うのならこちらからだなと思っていた。さいわい楽譜が手に入って拾う必要はなくなりましたが、でも参考にするのはこちらであろうかと思います。民謡にせよなににせよ、音楽は楽譜だけではわからないことが多すぎて、そういうときにこうした音源は大きな助けとなります。発音や譜割りといった実用面に始まり、歌そのものへの理解にも大変な助けとなって、どれだけいろいろな歌い手の版を聴き、どれだけ自分でも歌ったか、これが歌を練り上げるための最重要事項であると思います。

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