2006年3月28日火曜日

暴れん坊本屋さん

  昨日は『看板娘はさしおさえ』で書いたから、ははあ、今日は『棺担ぎのクロ。』か、あるいは『えすぴー都見参!』かなどという予測をされた方もいらっしゃるかも知れませんが、さにあらず、今日の題目は久世番子のベストセラー『暴れん坊本屋さん』の第二巻です。

実はですね、私、この本を、職場最寄りの駅前書店で見つけまして、平積みですね。あ、出ると聞いてた二巻が出たんだと思って、即座に買おうと思ったんだけど思いとどまりました。というのはですね、その日はそれから梅田に出ることがわかっていたからで、目的地はグランドビル三十階の紀伊国屋書店。ここは独自の特典をつけていることがあるから侮れなくて、もしかしたらという予感があったんですね。そうしたら、あたりましたよ、めったにあたらぬ私の予感が見事に的中したのです。

特典がついているというのは遠目から見てもそれと知れるくらいで、それはなにかというと暴れん坊本屋さん軍手だ! 書店向け販促グッズで一般販売はされていない軍手。紀伊国屋書店で配っていたのはピンクの軍手に書名と作者の名前、そして番子ペンギンがプリントされていて、素敵! これで冬のコーディネートもばっちりだわ、ってもう春だしなあ。

ちなみにうちに持って帰ったらば、大掃除するのにいいじゃないかといわれて、えーっ、なにゆうてんの。これゆうとくけど、非売品のレアもんやで、ってレアだから価値があるかどうかについては不明。うちにはそういう微妙なレアものが結構あります。

閑話休題。とにかく買って最初に読みはじめたのがこの漫画でありました。なんでかというと、気に入っている漫画だからという他ないのですが、なにぶん私も本が好きで、それが高じて図書館で働いていたこともあったくらいで(本屋は働こうという意思はあったけどはたせなかった)、そして私の知人にも本好きは多いから、あちこちで勧めまくり。ちょうど、この本を買った前日に会った人にもお勧めしていたんですね。本屋で本を物色しているその作法を見ていると、その人の本好きの度合いがわかるんだってさって『暴れん坊本屋さん』の作者がいってたんだよー、みたいに切りだして、そうしたらあとは私の本好き話みたいになって、崩れている山があれば詰み直し、順番がおかしくなった棚があれば並べ直し、本を買うときには六面きっちり確認する(あ、ごめん。これ私だけ)。なんか、普通の人からしたらなんなのこの人って思われてもしかたがないなと思うのですが、だってやらずにはおられないんだからしかたがないじゃん。

と、その日話したこうした話が、第二巻にそっくりそのまま収録されていて、ちょっと笑ってしまいました。そうか、やっぱり私だけじゃないんだって、そして果てしない共感が広がって……。この本を面白く感じるその根底には、そうした共感性がきっとあるだろうと思います。

と、そんなわけで、私の友人連中は、きっとこの本を面白く読めると思います。ぜひ、一度手に取ってみてください。

  • 久世番子『暴れん坊本屋さん』第1巻 (Un poco essay comics) 東京:新書館,2005年。
  • 久世番子『暴れん坊本屋さん』第2巻 (Un poco essay comics) 東京:新書館,2006年。
  • 以下続刊

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