新聞で取り上げられたりして、なんだか話題沸騰中(?)の漫画『暴れん坊本屋さん』。地上三十階にある紀伊国屋書店コミック専門店にいったら、これでもかこれでもかという勢いで押されていて、やれ本好きにお勧めだとか、新聞書評に取り上げられたとかどうとかこうとか。でも、私は自分が本好きだからとか書評で好意的に取り上げられたとか、そういうので買ったのではありません。私がこの本を買うにいたったのは、『もの好き もの子のモノ日記』で扱われていたのを覚えていたからで、あの時、あの記事を読んでいなかったら、きっと私はこの本を買っていなかったでしょう。
さて、本好きにお勧めという『暴れん坊本屋さん』っていうのは、いったいどういう漫画なんでしょう。
一言でいうと、書店で働いている漫画家が、仕事中に経験したことを面白おかしく描いているそういう漫画です。ああ、よくあるよね、っていわれたら確かによくありそうな話で、本屋に勤めたことのある人や、私みたいに図書館勤務の経験のある人間なら、あるあるそういうことってうなずきながら読めることでしょう。
って、こう書いたら、別に『暴れん坊本屋さん』じゃなくてもいいじゃんって感じになりますね。
でも、私には『暴れん坊本屋さん』はすごくよかった。まさに他にはないという感じがいっぱいで、買ってよかった、もの子さんありがたうと思わず感謝してしまったという(本当)。なにがよかったのかというと、やっぱり著者の傾向なんだと思います。あるいは掲載誌? 今では『ウンポコ』に連載されているそうですが、初出一覧を見れば『ウィングス』発祥らしいですね。『ウィングス』! というわけでBLというわけでもないんでしょうが(実際これは誤った見方で、『ウィングス』はBL誌ではありませぬ)、『暴れん坊本屋さん』にはそういったテイストがあちらこちらに散見されて、これは……! 実に私好みではないですか……。
折りに挿入されるギャグであるとか突っ込みであるとかが、私の性に合っていたのでしょうね。
そんなわけで、私の一番好きな回は「第9刷 俺の売り場は俺の庭」です。ハチさんが最高に可愛いです。彼女こそは、まさに理想の女性といえるでしょう(本気)。
ちなみに、一番好きなページは89ページです。
- 久世番子『暴れん坊本屋さん』第1巻 (Un poco essay comics) 東京:新書館,2005年。
- 以下続刊
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