病床で、『星のズンダコタ』を読んで、そのまま『迷宮書架』に移行。『迷宮書架』は雑草社の雑誌『活字倶楽部』に掲載されている四コマ漫画で、けどちょっと掲載の仕方は異色かも。というのはですね、ジャンルごとに分けて掲載されるBOOK REVIEWの各ジャンル扉に載っているのですよ。『かつくら』は季刊で、各号に漫画は六本。「SF・ファンタジー」,「ミステリー・ホラー・サスペンス」,「現代文学・純文学・歴史・時代小説」.「エッセイ・ノンフィクション・ガイドブック」,「少女小説・ボーイズラブ」,「海外翻訳小説」のカテゴリーにまつわる四コマは小気味よく、レビューを読む前のわくわく感をうまく盛り上げてくれてます。
私は以前図書館で働いていたことがあるのですが、そこで一緒に働いていた人が『かつくら』の購読者で、私はそれを見せていただいていたのでした。知らないだけでいろんな雑誌があるのだなあと感心して読んだのですが、まさかひらのあゆが漫画書いているだなんて思いもしなかったもんですから、はじめて借りたときは驚きましたね。
各カテゴリーをうまくあしらった四コマは面白く、本好きなら共感するだろう、いやただの本好きじゃないな、書狂といったほうがしっくりくるんじゃないかと思うんですが、そうした人なら絶対面白い。で、私はそうしたマニアの口だから、やっぱり面白かったんですね。
こうした扉を飾る漫画ですから、きっと単行本なんて出ないと思っていました。だから、なんとか確保したいなあと思うのはおたくの性で、でも人の雑誌だから切るわけにもいかんし、そもそも自分の雑誌でもはさみ刃物を入れるのは抵抗あるしで、スクラップ作戦は不可。コピーあるいはスキャンする? けど、雑誌が開いちゃうもんなあ。
ある種、本に関しては異常者の域に踏み込みつつある私には、この漫画を確保するのは至難で、だからすっぱりあきらめるという選択をしたのでした。あきらめるという選択肢がない人生は、苦痛ですじょ。
で、そうしてあきらめていた漫画が単行本になった! 嬉しい! 必ず手に入れたいもんだからジュンク堂に注文して、そしたら発売日に現物を書店で見つけてしまって、どうしても我慢できないもんだから買ってしまったら、当たり前だけどジュンク堂から届いてしまった。
今、うちにはこの本が二冊あって、一冊は読みやすいように本の山の中に(うそ、全然読みやすくなんてない。行方不明本は山ほどありますから)、一冊は日の当たらないように戸棚の中に封印。いやあ、マニアっていやですね。いや、本当にいやなもんです。こんな性格に生まれたことを呪わないではおられませんから……。
各号六本、季刊だからかける四、一年で二十四本しか書かれない漫画です。そんなわけで、『迷宮書架』が出るまでに九年かかって、だから、次は、多分2012年。ああ、すごい未来みたいに思えますね!
- ひらのあゆ『迷宮書架』東京:雑草社,2003年。
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