2005年11月10日木曜日

耳栓

  今朝、通勤の友iPodのスイッチを入れたところ、なんとバッテリーマークが赤く表示されていて、そうです、電池が直きに切れますよという警告です。しまったなあ、とは思ったのですが、iPodはバッテリーが赤くなってからが長いという印象もあったので、うまく今日の往復分くらいはもってくれるかなという期待をしまして、ですがこの期待もはかなく、帰りの、電車を待つホームにて、iPodは沈黙したのでした。

この間まで、ポータブルオーディオのない生活をしていたというのに、イヤホンを外すときには一抹の寂しさも漂って、人間の馴れる能力とは馬鹿にできないと思いました。しかしそれ以上に思ったのは、まわりのうるさいこと。これはもう驚いてしまうほどで、私は耳栓型のイヤホンを使って、遮音効果が低いとか文句をいっていましたが、しかしそのイヤホンを外せばあたりはこんなにもうるさい。まわりに人がひしめいているわけでもないのに。目の前に列車が通過しているというわけでもないのに、本当にうるさい。

雑踏の真ん中や、あるいは客車内となればなおさら。これは堪え難いなと思ったものでした。

だから私は、耳栓代わりにイヤホンを耳に突っ込んで、うるささを多少緩和しながら帰ったのでした。ですが、まさかミュージックプレイヤーの電池が切れて、周囲の騒がしさに気付かされるとは思いませんでした。こんなにも音の無秩序に氾濫する中で生活していて、これは少なからずストレスとなっていたのではないかと、そう思うほどの出来事でありました。

と、そんなわけで、耳栓。昔、イヤーウィスパーっていう、黄色い耳栓が売られていて、押しつぶして耳孔に突っ込んでおくと、体温で元の大きさに戻ってしっかり遮音してくれますってやつです。私は昔これをためしに使ってみて、思った以上に遮音効果が得られないとして見限ったのですが、ですがこれも今から考えたら、きっと無意味ではなかったのでしょう。

私は長く耳栓を使う人を理解できずにいましたが、今日、ようやくその気持ちがわかったように思います。耳栓をはめた生活に慣れた人間なら、これはもう必携といってもいいアイテムなのだろうと思います。

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