iLifeというのは、アップルコンピュータのリリースするクリエイティブツールのスイートですが、この2005年版がついにリリースされるのですよ。私はこの日が来るのを待ちに待っていたといっていいくらいでして、なんだかちょっとわくわくする気持ちを抑えられないでいます。
iLifeというのはどういう製品かちょいと説明しときましょう。アップルコンピュータの考える、個人にとってのコンピューティングに必要なツール、— 写真、動画そして音楽を扱うためのソフトウェアがセットになっているんです。
写真の編集や管理にはiPhotoが用意されています。ビデオ編集したいという人には、iMovieとiDVDがきっと力になってくれるでしょう。たくさんCDを持っている人には、iTunesが素敵です。しかしiLifeにはこれらを上回って魅力ある製品が含まれています。その名はGarageBand。Macintoshを強力な音楽制作環境に変貌させる可能性を秘めた製品です。
GarageBandというのは音楽を制作するためのソフトウェアなのですが、そのベースになっている考え方というのが実に斬新で、リリースされたときには結構話題になりました。
Apple Loopsというのが用意されていまして、これはなにかといいますと、自由に利用できる音楽の断片なのですね。ループというくらいなので、ぐるぐるリピートさせて使うのですが、こうした断片をいろいろ組み合わせて、自分好みの曲を作れるんですね。
さらにGarageBandには、ソフトウェアシンセサイザーが搭載されているので、自分で作ったメロディーを組み込んだり、あるいはループを自作したりもできるんですね。さらには、外部からのオーディオ入力を録音することも可能。なので、MTRとして使うこともできたんです。
iLife '05に搭載されるGarageBandはバージョンが2に上がりまして、じゃあ何が変わったのかといいますと、このMTRとしての機能です。
これまでのGarageBandでは、同時入力トラック数がひとつだけだったんですね。ところが2になって、一気に8トラック対応になりました。ソフトウェア音源も含めると9トラック。これはつまりどういうことかといいますと、マイクを八本用意して、小アンサンブルを録音。各パートの音量、バランス調整は後でゆっくりできるということです。
こいつはすげえぜ!
私がこれまでGarageBandを欲しいと思いながら手を出さなかったのは、複数トラックの同時入力に対応していなかったためだったのでした。私は今ギターに一生懸命ですが、ギターといいましても、インストゥルメンタル志向のギターではないんです。私は伴奏がやりたくてギターをはじめて、それは歌の伴奏で、友人の弾く二胡の伴奏で、— なので複数の入力に対応してくれることを切に希望していたのでした。
iLifeの2005年版が出たら複数入力にも対応するんじゃないかという予感から、iLife '04には手を出しませんでした。そのもくろみが見事にあたったというわけですよ。興奮しないほうがおかしいってもんでしょう。
GarageBandはまさにオールインワン仕様で、私にはそれもありがたいのです。レコーディングした素材にエフェクトをかけミキシングしたりしたものを、MP3やAACに書き出す、あるいはCDを作成するのも楽々でしょう。こうしたことを手軽に実現する環境というのは、私の知るかぎりこれまでありませんでした。ある程度の機能を求めると、プロ仕様に限りなく近づくのが大抵でして、機能限定版でも決して簡単ではありませんでした。ところがGarageBandは、専門的に音楽を学んでこなかった人にも音楽を扱えるような環境を実現し、しかもそれが一万円しないソフトウェアスイートに含まれているんです。
私が学生だった頃は、ハードウェアレコーディングをしようと思えば結構な予算を組んで機器をそろえて、けれどそれでもGarageBandほどの機能はなかなか得られませんでした。それこそプロ機材みたいなものに手を出さないと、満足できるような環境は手にできなかったんです。
GarageBandにしても、マルチトラックレコーディングしようと思ったらそれなりのオーディオインターフェイスを買わないといけないんですが、しかしそれも今ではそれほど高くないんです。安価でいいマイクも出ていますし、もう天国のような時代が訪れたものだと思います。
けど、そうはいっても結構お金はかかるので、なかなか手を出せずにいます。2005年中には周辺機器もあわせてiLife '05が買えるといいんですけど、ってなんだか突然消極的だな、おい!
0 件のコメント:
コメントを投稿