昔は民放でもジュブナイル・ドラマをやってたんですけど、最近では子供がドラマを見なくなったのか、あるいは大人向けのドラマを見るようになったのか、とんと見かけなくなってしまいました。結構好きだったんですよ。『ハウスこども傑作劇場』というのがあって、主題歌の断片だけ覚えています。「飛ぶんだ跳ねるんだボールになってさ」ってやつで、人のうちにいってもみるくらい好きなシリーズでした。
この後に、私が夢中になってみたのは、NHKでやってる海外ドラマシリーズで、私がここにはまった要素として、ジュブナイルをみることができると思うんです。『素晴らしき日々』なんか、まんまジュブナイルといっていいドラマかと思います。
さて、そんな私がこのところ楽しみにしてるのが『六番目の小夜子』。結構前のドラマなんですが、今再放送してるんですね。結末のわかってる話なのに、それでも毎週の放送が楽しみで、もうまったく魅惑されてるのであります。
『六番目の小夜子』のなにがいいといっても、そのミステリアスさですよ。学校に残る伝説にまつわる事件の数々! 予定からはずれはじめているサヨコ伝説に、振り回されながらもまっすぐ立ち向かう中学生が凛々しくっていいですよ。凛々しいってのは、少年少女関係なく、もうなんというか、それぞれ持ち味を違えながら、それぞれが格好いいんですね。
その凛々しい中学生たちが、二転三転するサヨコ伝説の謎にせまっていくんです。そりゃ、面白くないわけがない。はまります、いや、ほんとはまりましたよ。
NHKだからなのかどうなのか、出演者がみんなうまいんですよね。中学生たちがメインのドラマですが、誰も役に負けていないと思う。それこそ、名前のついている主要な登場人物にいたっては、本当にそんな子がいそうな感じさえしますからね。それくらい自然に演じているのですよ。
二人のヒロインの個性が際立って対照的で、特に明るくてさっぱりした潮田玲(鈴木杏、撮影時はまだ小学生だったらしい、……恐ろしい子!)のキャラクターは、ともすれば重くなりかねない展開に華やかさをそえ、牽引する力になっていました。そして津村沙世子(栗山千明)ですよ。あのミステリアスな雰囲気! いやあ、目を見開いて話すのはちょっと恐ろしげだったりしますが、この硬軟対照をなすヒロインが、ばっちり世界を決定づけています。
ところで、花宮雅子を演じている松本まりかという女優さんが非常によい感じですね。思春期のとんがった感じを出しながら、中性的な雰囲気の中に女性らしいいやな感じも隠していて、しかも一番かわいい。実にいい感じですよ。あといい感じといえば、関根秋役の山田孝之くん。もうなんというか、いいですよ、いいですね、いいですわ! もう凛々しくってね、凛々しくってね、最高です。でも、もう五年経っちゃったから、育っちゃったんだろうなあ。時間というのは残酷だなあ……。
アコーディオン奏者Cabaによる音楽も素晴らしい、まさにこの数年におけるドラマ界最大のヒットといってもいい『六番目の小夜子』。話よし、役者よし、演出よし、音楽よし。もう私にとっては、けちのつけどころがない名作ですから!
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