2005年1月17日月曜日

フロントミッション

   フロントミッションは初出がスーパーファミコンという結構古いゲームなのですが、順調に新作が開発リリースされていて、今も遊べるシリーズです。きっと人気があるのでしょうね。私は第一作を遊んだだけで続編は横目に見ているだけだったのですが、それでも独特の世界観やなにかは興味をそそるに充分でして、実は今でも遊びたいと思っています。そんな具合に、虚構なんだけどリアリティのあるシリアスなストーリーにはまってしまった人は、きっと多かったのでしょう。

フロントミッションはどういうゲームかといいますと、タクティクスタイプのシミュレーション、パーツを購入し組み上げたロボットを投入して、敵部隊をやっつけるというゲームだったのですね。

このロボットですが、ガンダムではモビルスーツというように、フロントミッションでも特別な名前が付けられています。ヴァンツァーといいまして、本体パーツに腕パーツや脚パーツをアッセンブルして、強化していくのが楽しかったんです。パイロットの技量に応じて、例えば射撃の精度が高いならライフル系を、そうでないならマシンガン系を、さらには格闘に特化した機体にしてみるなど、そういう組立と、彼らの個性を生かして戦略を組み立てるという、二重の構成が面白かった。もう、大好きでしたよ。

フロントミッションは、メカやストーリーもよかったのですが、なによりキャラクターが魅力的で、お気に入りキャラを作ってしまうような人にもおすすめのゲームです。ひとりひとりの個性がはっきりしているので、大量のヴァンツァーを投入するような戦局においても、わけがわからなくなるということがなかった。要となるキャラクターがいて、そいつらをうまく使ってやるのが途方もなく楽しかった。いや、本当によくキャラ立ちがしていたと思いますよ。

私がこのゲームを遊んだのはもう五年も前のことになりますが(あるいはそれ以上かも)、はっきりと思い出せるキャラクターはいますからね。

まずは坂田が思い出されますね。この人は射撃に優れていたので重火器を持たせて、精密射撃で敵機の特定パーツを破壊させるのが楽しかったのですよ。腕とか、特定の部位を狙い撃ちすることができるんです。まずは両腕を破壊して武装解除し、脚部を潰して移動力を奪います。これがフロントミッションのセオリーとでもいいますか、敵の戦力を殺いで、後片づけを二線級のパイロットに任せるんですね。つまり、坂田はエースだったわけです。いや、エースなんてもんじゃないですね。ダブルエース、トリプルエースといってもよいというくらいの大活躍で、あまりに強くなってしまったから、私らは鬼坂田というあだ名をつけて重用していました。

あだ名をつけたキャラクターといえば、中国系のお嬢さん、ヤン=メイファを忘れちゃいけませんな。この娘は馬鹿みたいに格闘性能がよくて、とにかく攻撃をよく当てる。特殊スキルの発動も頻繁で、そして攻撃力が高い。もう、めちゃくちゃ魅力的でした。

敵の群がる真っ直中にヤンを送り込んで、片っ端から殴っていくわけですよ。特殊スキルの威力が半端でなくって、文字通り一撃必殺の拳。迎撃能力にも優れているので、群がる敵が次々と再起不能になっていく。あまりの強さに、我々は畏怖の念も込めてどつき姫と呼んでいました。

常に最前線にいたのは鬼坂田とどつき姫で、この二人さえいれば負ける心配はないんですから、もうスーパーヒーローってなもんですよ。主人公がかすんでしまって仕方がないくらいで、矢でも鉄砲でもラスボスでも持ってこいてな勢い。実際、最終戦ですら、この二人の戦場でしかなかった。最強の称号はこの二人のためにあるといってよいでしょう。

けど、これってちょっと問題なんですよね。二人があんまりに強いせいで、他の連中に分け前がいかないんです。このゲームは、戦闘で得た経験値により、キャラクターが育っていくというシステムを持っていまして、つまり敵機を破壊すれば破壊するほど強くなるという仕組みです。なので、どうしても強さが突出するパイロットが出てきてしまいます。特に命中精度、破壊力の高いキャラクターにその傾向は強く、他のパイロットを凌駕する能力を持ってしまったために常に最前線送りになる — さらに強くなってしまう、という悪循環(いや、好循環か)が見られたのですね。

こうした傾向はゲーム中盤くらいから顕著になりはじめるのですが、そうなればまさに第13独立部隊(ホワイトベース隊)の様相を見せはじめてきます。一握りのスーパーエースが戦場を支配し、それを続く中堅が数名、そして多数の力なき一般兵。一般兵は努力次第で中堅に食い込むこともできるでしょう。けれどスーパーエースと中堅の間には、越えられない壁が存在しているのです。

まあ、一口でいえばバランスが悪いということなんですが、けどこういうバランスの悪さも含めて面白かったんですよね。中堅が苦戦しているところへどつき姫が駆けつければ、それまでのことが嘘みたいにひっくり返る。かっこいー! だから、私たちは皆、どつき姫ヤン=メイファに夢中でした。いや、実際キュートなキャラクターだったと思いますよ。

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