『まんがタイム』2013年6月号、発売されました。表紙はカーネーション、母の日がテーマでありますね。ちょっと照れくさそうに妻に花束を贈る『おとぼけ課長』をメインに、カーネーションを手にした『ほめよめ』かのん、『パパロバ』ナゴ、そして『恋愛ラボ』リコのカットもございます。
『大家さんは思春期!』、いかしますね。靴箱に手紙。どう考えてもラブレター。しかしそれを大家さんは、不審物として職員室に届け出るんですね。いかす、いかします。宛先不明、差出人も不明。ああ、確かに不審な手紙かも知れません。少なくとも受け取る側からしたら、不気味、そうなんでしょうね。誰やねん、お前。うん、わかる。しかし、先生、ちょっと差出人の気持ち、わかっちゃってるんだなあ。顔、ほんのりと赤らめて、あんたが可愛くなってどうするですよ。で、手紙は晒しものになるっていうんですね。いかしました。この現実的対処にしびれました。そして新しい登場人物。104号室の熊川さん。ヒゲのおっさん、小太り、あつかましい。職業、少女小説家だそうでして、いい感じに酷いギャップ。で、このおっさんもチエちゃんの対応にショック受けてるってんですね。いや、もう、チエちゃん、素敵でした。非情、万歳です。
『絵本とママ』、ゲストです。母ひとり娘ひとりの物語。お母さん、岬透子は美人の絵本作家。けど私生活はいろいろだらしなくて、おかげで娘のひめは、17にしてしっかりものに育ってしまって、学校でのあだ名は王子なのだそう。女性誌に載ってそうな雰囲気。美人で人気の絵本作家というのが、どうもありにくそうではあるんですが、まあそんなことはどうでもいい。奇行の母と、面倒見のいい娘。その娘の真面目そうで、けれど娘っぽくもあるところ、その幅はいいなって思いましたよ。
『もえグラ』、燃えろ!! グラフィッカーズなのだそうです。ゲームメーカー、グリッドカンパニーの中途採用面接を受けにきた八田やえ。レトロゲームが好きで、そのノリでキャラクターを考えてきたのに、最近のゲームときたらやたらのリアル志向。派手なキャラクター、緻密なイラスト、そうした昨今のゲームの状況を前に気後れする。それで既にこの会社で働いている友人、三橋トーコのもとに駆け込んで、なるほど、この人の推薦なんですね。トーコにいろいろ助けてもらって、そして資料室で出会ったのが宍戸さん。レゲーで対戦して、やっこにぼろくそにやられて、なるほどここからの落書き大会。そこでのやりとり。これがやっこ採用の決め手になったのかな。しかし、ちょっといただけない。昔のゲームのリメイク。登場人物が全部女の子に変わって云々、このくだりは納得いきません。ネット中心にとにかくウケのいいレゲーリメイクというのは、ただいたずらにキャラクターを今風にしたり、可愛く、あるいはエロエロにしたり、そういうのではなく、いかにレゲー、その当時の雰囲気、魅力を再現したか、その本気度、入れ込み具合によるものなのではないか。『3D スペースハリアー』しかり、『みんなでスペランカー』しかり、当時を知り、また当時そのゲームを愛していた顧客がいるからこそ、その再現度や、そのゲーム性の根幹に肉薄するリメイクが評価され、話題になるのじゃないのか。そして作り手もそれを理解してる、そう思っているからこそ、あのリメイクものについてのくだりには違和感を覚えました。
現実にはそういう現場もあるのかも知れないですけど、もし面白い面白くないが無関係で、萌えキャラ、エロキャラ投入で話題獲得するなら、レゲーをわざわざリメイクする必要なんてないでしょう? 炎上必至、話題になること第一なら確かにこういう戦略もありだろうけど、それが購買に結び付かないと駄目でしょう? だからわからんのです。『海腹川背Portable』とかクソゲー認定ですよ? Amazonの評価、星ひとつ半ですよ? 悪名馳せた『カルドセプトサーガ』。ファンがついているゲームで舐めた真似すると、その怨嗟の声は四方八方に轟いて、実際私はこれらゲームにかかわったソフトハウスは忌避するようになりました。
というわけで、続き期待してます。ゲーム作りの面白さ、そいつをがつんとぶちかましていただきたい。皮肉とかではなしに、本当にそう思っているんですよ。
『フリーランスなあさみさん』、ゲストです。快適自宅ライフ、フリーでイラストレーターやってる深沢あさみは自宅が仕事場。って、羨ましいなあ。外出しないこと、家にこもることが苦にならない、そういう人にとって自宅職場は夢の環境ですよね。自分もかくありたい。そういえば、友人が自宅職場の夢を追って、手に職つけるため事務仕事を退職してました。ええ、夢の実現者、あさみさんはまさに憧れです。しかし、フリーランスという言葉の誤解、フリーターと思われてたり、これ実際あるらしいって聞きますね。洗濯物は部屋着のスウェットばかり。スウェット姿も似合っていて素敵。なんだろう、ひとり語り風、ちょっとスローな感じ、それがあさみさんのペースなのかも知れないけれど、悪くないなあ、そう思っています。
- 『まんがタイム』第33巻第6号(2013年6月号)
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